両国高校定時制
M先生は思います。
「さすがは「特殊相対性理論」という町だ。
PTA会長がこの理論に興味をもっているとは驚きだ。
この町の人は科学好きが多いのかな。
ところで、どう説明したらよいだろうか。
光速度は不変であり光より速いものはない。でも、これでは説明にならない。
数式を使うとそんなに難しくない。高校で数学を学んでいれば理解可能だ。
数式を使わないと意外と難しい。速度の合成が説明できない」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「もし、上空を光速の半分の速さで飛ぶロケットから、さらに光速の半分の速さのロケ
ットを進行方向に飛ばすとどうなるだろうか。地上に静止している観測者から見てみ
よう。空気抵抗などは考えないとする。(なお、加速度運動が生じない慣性系でのみ
を考える)この場合、ニュートン理論ならば後から飛んだロケットの速さは光速と等
しくなる。
しかし、特殊相対性理論で計算すると光速の80%の速さになる。このことをどう説明
したらよいだろうか。
光速が2倍になると、空間が2倍に引き伸ばされると考える。
これでよいだろうか。問題点はなんだろう。
解説書にはこういう記述がないことだ。
それに、空間が2倍に引き伸ばされるとはあまりに便宜的な感じがする。また、何の
根拠もない。
やはり、数式を用いないと説明は難しい。
でも、理解のための説明なら許されるかもしれない。
もし、間違いなら訂正すればよい。問題はあるが、仕方ないかもしれない」
その後、M先生はZ会長に会い、
「空間が2倍に引き伸ばされる。
でも、これは便宜的な説明です。きちんと知りたければ数式を用いないと難しいと思
います。よい説明のしかたは今後考えます」
といいました。
それを聞いて、ZPTA会長は喜びました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このページの説明は問題あり。速度合成を用いないと説明は難しいと思います。
(2007.7.7)
参考:速度合成の式、速度uとvの合成速度wは次の式で示される。静止している観 測者から見た場合、慣性系という加速度が働かない空間を前提とする。
cを光の速度とすると、 w=(u+v)/(1+u*v/c*c)