第3日目、10月7日(木)
いきなり上りで、30分ほど歩く。トンネルがいくつか続く。
下りは冷たい風がここちよい。路肩は狭いが、まだ車が少ないので気楽に走れる。
宮崎まで120q。今日中には無理である。3日で予定した2日分も走れていない。
走り出したばかりで、はや口が渇きだす。昨日の朝から歯をみがけていない。
道の駅「北川はまゆう」で洗面。朝食はきのうの残りですます。
休憩室で二人のドライバーがいて、行き先の地図を見せ、いろいろ教えてもらう。
ここが景色がいいとか、松林があってキャンプができるとか。前途が少し明るくなる。
延岡市内。向かい風、少し暑くなってきて、下着も一枚脱ぎ、半袖になった。少しだけ海岸が見えた。
ラジオから京セラの会長という人が話している。人は何のために生きるのか、生まれたときより、少しはましな人間になるためだと。
昼食は、朝買っておいたエビ巻、最高においしかった。今夜は雨の予報。
ソフトクリームなどを売ってるお店で、かき氷を買う。
一度には食べきれない。残すのは惜しい。走りながら少しづつ口に運ぶ。いちごのシロップで、口紅を塗ったようになった。
昼を過ぎてからはほとんど進まない。疲れがたまる。小さな段差に転倒、こけたのは自転車だけですんだ。
15時、都農町、お店で弁当がなかったのでパン二つ。海が近いので、テントが張れるはず。
果物を売っているお店で聞くと、海岸にすぐ出られるとのこと。
10号からそれて民家の道を入って行く。いきなり人が歩くだけの細い畑道になる。
心配になってまた家の人に聞く、まちがいなく浜に出られるというので、そのまま進む。何度も曲がったりして、帰りには戻れるだろうか、ちょっと不安。
畑を抜けると鉄道の線路に出る。どうやらリニヤモータカーの実験線だろうか、高架になったコンクリートの壁が続いている。
さらに進むとやっと海に出た。
人がいて車も入ったりしているが、少し手前の道から外れたところに草が茂り、手ごろな空間がある。水がたまったりしているが、乾いたところを選ぶ。
やぶに囲まれているので、風も受けない。海は見えないが、波の音がよく聞こえる。
さすがに蚊がすごい。ヤブ蚊だ。テントの中にも何匹か入ったが、一匹一匹退治する。
何より落ち着く場所が見つかって、ありがたい。走っていたら、周囲は民家ばかりだったから。
夕食は悲しいことにメロンパン二つ。でも梨もみかんもある。お腹だけはふくらむ。昨晩より暖かいが湿気がひどい。
ラジオはダイエーと西武の日本シリーズをやっている。
波の音、それに虫の音が実に多彩だ。電車の音も聞こえる。雨が心配。横になるが、なかなか寝つけない。
すぐに足がつり出した。こぶら返りだ。じっとしておられない。やっと左足がおさまると、次ぎに右足が続く。懸命にこらえる。
これはどうなるのかと不安が広まる。長かったが、十分ほどでおさまった。終わってしまうとその痛さ、苦しさを忘れている。
次に、例の耳に伝わるごくごくとした音。枕代わりのリックがごつごつしている。さわってみるとなんと時計。
首の動脈の鼓動と、時計の秒針を刻む音の区別がつかないとは。この勘ちがいにあ然とする。
20時に外に出ると、今夜もみごとな星空が広がっている。ところが23時、雨が降りだす。予報どおりだ。
外に出て、もう1枚のシートをテントにかぶせる。これで少々の雨でも大丈夫だ。
台風22号は、四国の方にそれていくようだ。ラッキーというほかない。
走行距離83q。