第7日目、10月11日(月)
草道駅のベンチで朝食。駅名がほほえましい。逆に読めば、道草の名にふさわしい好天気で、静かでのどかだ。
朝の時間帯であるが、人も電車も来る気配はない。
小さなトンネル。海が見えだす。道の駅「阿久根」でトイレと歯磨き。みかんを買う。
ボランテアで観光案内している人に天草への道を聞く。
何か忙しそうにしておられたので、悪かったかと思ったら、話し好きな人で、しばらくおつき合いするはめに。
簡素な阿久根駅舎の前を通る。向かい風と上りで歩いてばかり。
自動販売機でお茶を買って、店の人に聞くと左に行けば天草のようだ。何の躊躇もなく左に。ほんとによかったかどうか。
3号を離れて289号に。しばらくは道も広いし、車も少ない。天気も最高、ここが天草かという気分だ。
でも長くは続かない。疲れもたまる。日差しがきつい。アップダウンも。
天草は大きな三つの島からなっている。ここは鹿児島から陸続きの長島。
木陰で昼食。朝の残りのサンドイッチ。どんどんと大砲のような音、鳥除けだろうか。
昼食のやり直し。小さな食堂でラーメン。おいしかった。お客さんは数人、いすに座ってくつろげるのがいい。
フェリーへの道を聞いたが、地元の人もあまり知らないようだ。
アップダウンばかり。道ばたで休憩。何度も休んでは走る。
天草ルートで良かったのか、後悔の気持ちを抑えられない。
やっとフェリー乗り場。ちょうど船が出て行くのを見送る。ついていない。1時間待ちの17時出航。
もう夕方で困ったことになった。このまま、ここにとどまる方がよいのでは。
向こうの牛深はこことちがって、ひらけた町のようだ。テントが張れるだろうか。
船は回りの小さな島のあいだを静かに進んで行く。まるで湖のよう。ここも30分、あっという間。
夕暮れでもうすぐ暗くなってしまう。気持ちが焦る。
とりあえず、266号への道を聞く。なんとかこの市街を抜けなければ。
やっと道が見つかり、走り出したら、すぐに漁港。考えることもなくハンドルを右に切り、道路から外れる。
広いコンクリートの一隅にテント。道路のそばだが、木立で陰になって通りからは見えない。
道の反対側はなんのお店か、音楽が流れ、遅くまで明かりがついている。
小さな船が港を出て行くのが見える。寝ていたら突然、近くで大きな犬がほえだした。身が縮む。
飼い犬か、野犬だろうか。しばらくしてあきらめたのか、静かになった。夜中の12時だった。走行距離74q。