5日目、7月9日(金)晴れ
前方に富士山が見えてくる。右が高速、左が鉄道の間を走る。パンと牛乳、食欲なし。
バイパスに入ってしまう。幅30pの白線内を走る。恐怖の1号線。
富士川。左に少しかすんでいるが、雄大な富士山の全景。見ているだけで、写真を撮っておくのを忘れてしまった。
東側の山並みのすそ野が、ハイジに出てくるような景色。
民家には七夕のささが見られる。田子浦で道を間違う。151に出て、そのあと380に。
イヤホンを車輪に引っかけ、ラジオを聞く楽しみがなくなる。
ガソリンスタンドで道を聞く。三人の人が小屋の中で雑談している。迷惑がらずに事細かに親切に教えてくれた。
地図を勘違いしていたのに気づく。三島の方まで行ったらだめだと思い込んでいた。
箱根まで明るいうちに行き着くかと聞いたら、あなたの努力次第だと言われた。聞いている間、車が一台も入らない。暇なんだ。
右側はずっと海沿いの防風林が続く。1号線に出る。東京まで122q。雲にかかった富士山をバックに写真。すそ野だけが見えている。
箱根入口。コンビニでおにぎり。店のおじさんの話では箱根まで車で3、40分という。
ゆるやかな坂が続く。元気であれば走れるのだが、ここから歩きだす。歩道が十分とられているので車の心配はない。
回りは青空なのに霧のような雨が降り出す。疲れてぐったり。
座って休むと、立ち上がるのがつらい。振りかえると、通ってきた町並みが下の方に見える。
登り口から中間地点だという。お店と公衆電話があり、コーラを自動販売機で買い、明日の泊まる所の予約を入れる。
こぶらがえりに何度も苦しむ。歩道横の草むらにあお向けにひっくり返り、起き上がれない。こんなにひどく足がつるのも初めて。
10分、20分、やっとおさまる。今まで自転車をこぐばかりであったが、今度は歩くばかりなので、足の方も勝手がちがい混乱している。
休んでいて自転車の車体を見ると、意外にもメイドイン、インドネシア。
1万円ほど。重くて、新しいだけが取り柄。ギヤーチェンジだけはたくさんあるが、上中下があれば十分。
上に行くほど涼しくなってくる。旧街道の標識や石碑が見られる。海岸線が見える。昨日泊まった所も見えているかもしれない。
就職難のあらわれなのか、高校を出たぐらいの女の子が、道路工事のガードマンをしている。
どこもよく工事で交通規制をしていて、片側通行になっている。ウグイスの声も聞こえる。たびたびサンダルに石がはまる。
山中城跡。よくもこんなところにお城。それもすぐに焼き払われるとは。風もきつくなり、寒く感じる。
家並みが続いたので、やっと来たかと思うと、すぐにまた山の風景。
はるか上に白いホテルのような建物。まさかあそこまで登ることもないだろうと思っていると、やがてずっと下の方に見ることになる。
初めて自転車野郎を見る。反対側から上って来たらしい。
なんとか茶屋という名のバス停。ということはまだ先があるということ。またも強烈な足のこぶらがえり。
標高846m最高地点、うれしい、よくがんばったものだ。ここから下り。
新聞を配達しているおじさんや、食堂の店員さんにユースホステルまで道を聞く。
薄暗くなりかけてきて不安。湖畔の方に行ってしまって引き返す。
大きな庭に出ているおばさんにも聞く。反対側の角がそうだよと教えてくれる。だがすぐ隣が100m先。
今度は会社の保養所に入って聞く。隣の敷地なのにわからない。

18時30分、箱根レイクビラユースホステル着。自転車を押して歩いたこともあって階段がつらい。足を曲げると痛いので、みっともない格好になる。
台湾のドクターという青年と同室。片言の日本語、英語、筆談。とても上手な字を書く、それも古い漢字。
プロ野球が好きで、福岡ドーム、東京ドーム、次は甲子園と入場券まで見せてくれる。
台湾のことを聞いたり、話しは尽きないが、明日があるので切り上げる。
食事の時には韓国の人もいて、国際的。ほかにも家族ずれの客があり、子供もいてにぎやか。
小さな女の子は人見知りしないで、話しかけてきたり、ついて来たりして、とてもかわいい。硫黄の臭いのする温泉に朝晩と入る。万歩計45、288。