依頼2日目

ベーカー街221Bの扉をくぐり、幽霊のような足取りで軋む階段をあがった先、部屋の明かりはついておらず窓の外はもう日が沈みかけていた。
散らかりっぱなしのリビングのソファに人の影があるのに気付いて僕はうなだれていた頭をあげた。
シャーロックめようやく帰って来た。僕はワセリン16個カラッポ事件で疲れ果てていたので、まず入り口のそばで大きく聞こえるようにため息をおとした。口を開きかけて、パチンと明かりをつけたところで声を発するのを中止した。
埃っぽいリビングから透き通るような白い肌の女性が、麦の黄金色を純水で薄めたような目をこちらに向けている。
ワセリン16個カラッポ事件は依頼人の弟がゲイに目覚めて使い込んだとわかってさきほど解決したところで僕はとても悲しい心地だったが、捨てる神あればひろう妖精の王女あり。
奇しくも妖精の王女様が腰かけている椅子は僕らがいつも依頼人を座らせる椅子だったから、新しい依頼人に違いない。しかし見惚れてなかなか言葉をつげずにいると、向こうから声がかかった。

「シャーロックさん、ですか」
「あ、いや、いえ、ぼくは」

コートを脱ぎながら近づいて行くと、その女性は驚いた様子で立ち上がり細い肩を緊張させた。雰囲気だけでなく背丈も体型も小柄で華奢で、本当に妖精のようだった。

「ああ違いますっ、あやしいものでは、…」

こちらを向いているのにそのまなざしの方向が僕より少し右にずれていることに気が付いた。目が見えていない。それにしては目を見張って目のまわりの筋肉がまだしっかりしているから完全に見えていないわけではないのかもしれない。僕はそれ以上近づく前に、なるべくゆっくりした調子で自己紹介をした。

「僕はシャーロックの同僚の、ジョン・ワトソンといいます。はじめまして」
「そうでしたか。はじめましてミスター・ワトソン。と申します」
さん、いい名前だ。どうぞジョンと呼んでください。シャーロックならいま別の依頼で郊外のほうまで行って昨日から連絡もつきませんから(ラッキー!)、よろしければ僕がお伺いしますよ。昨日は彼が行った地方は豪雨でしたからね、交通網がストップしてむこうに一晩泊まっているんでしょう。ああそんなことより紅茶を淹れないとね。外は風が寒かったでしょう。どうぞかけて、ちょっと待っていてください」
「シャーロックさんならさきほど外へ」

階段を上る音が近づいてくる。

「買って来てやったぞ。サンドイッチとチャイ・ティーでいいだろう。クッキーがない。クッキー。ジョン、クッキーあるか」
「シャーロック、帰ってたのか。クッキーは無いよ」
「それよりそっちはどうだった。思春期の弟がゲイに目覚めていたってやつ」
「っ、知ってたのか」
「当然だ。あの依頼人の爪を見たら一目瞭然だろう。メールの添付画像にあった空のワセリン容器を持ったあの手、爪に横筋が入っているのは継続的に生じているちょっとのストレスによるものだ。もちろん継続する悩みの種はワセリン16個がカラになったことではなく背景に映っていたテーブルの年季を見たらわかるが彼は実家暮らしの」
「OK、シャーロック、OKだ。チャイ・ティーが冷める前にお客様にお出ししよう。せっかく君が買って来たんだ」
「…そうだな。いまテーブルに置いた、目の前にある。こぼさないこと、ジョンが拭くことになる」
「ありがとう。お腹がぺこぺこだったのです」

シャーロックが人に食事を買ってくるなんてほとんど奇跡に近い。僕は買ってきてもらったことがないのにと嫉妬めいたものがわいて白目を剥いてかき消した。精神衛生のために美人に目をやる。

「じゃあその、もしかして、こちらの方が5日間ロンドン観光をする、例の」
「ああ、そうだ」
「お世話になります」
「歓迎します。ようこそロンドンへ」

シャーロックが死ぬほど羨ましい。
が無事サンドイッチの場所を探り当て食事をはじめたのを見届けてから、僕は悔しさをかみ殺してシャーロックを階段に連れ出した。

「で?」
「で?とはなんだ」
「彼女はいったい誰?なんで君の兄さんが直々にシャーロック・ホームズと5日間デートするように依頼して来たのか、もうなにもかもわかってるんだろ、ど・う・せ!」

最後のはハズレくじを引いた僕のひがみだから、「悪い」と一応小さな声で加えた。

「12通りまで絞られているがそこから先はまだ情報が足りない。目下観察と調査中だ。このあと夜にひと気のない通りに彼女を連れ出したら6通りまで絞ることができる。彼女が夜道で撃たれたり刺されたり拉致されたら3通りまで絞れる」
さん、今日は星占いによると夜は外にでないほうがいいらしいですよ!」

階段の上に向かってそう叫んでからシャーロックの襟に向かって指を向けた。

「いいかシャーロック、あんな美人を危険にさらすなよ、それに目が見えないならなおさらだ」
「見えないわけじゃない」
シャーロックは悪びれる様子もなく言うが、こっちは医者だし、シャーロックよりは常識人だ。
「いや、あの目は見えていない。見えていたとしても視力は極端に弱い。同じことだ、君が危ない目に合わせたら彼女は自分で身を守ることができないって点においてはね」
「違う。彼女の目は可視光線以外も見えているだけだ」
「…、もう一回」
「あの目は可視光線以外も吸収して網膜で変換して脳が理解しているといったんだ。しかも電子顕微鏡を上回る倍率でな。だからアメリカが月2で尋ねてくるんだ、連中はUMAが大好きだから」
「うそ、じゃあ彼女、…ほんとに妖精の王女かなにか」
「ジョン…」
「わかってる、冗談だからそんな目で見るな。で、彼女はいったい誰?」
「王女だ。よくわかったな」
「…」
「でも妖精じゃない」
「…」
「受容体か網膜か視神経か脳に著しい異常をきたしているただの人間だ。もし宇宙人ならとっくにアメリカかロシアにさらわれている。君のために丁寧に言ってやると彼女にUMAの構成物質やらネッシーの皮膚らしきものやらを解析させていたという意味だ。マイクロフトの言い分だとイギリス政府もそういう使い方をたまにしていたのだろうからその点は幻滅した」
「…」
「ジョン、どうした」
「…」
「驚き過ぎだ」
「これが…驚かずにいられるかよっ。本当か本当なのか、本当に彼女、王女様?どこの?」
「今更そんなに驚くことか。あのマイクロフトからの依頼で、しかもかつて空軍の秘密軍事拠点があった場所に建てられた屋敷という時点でおおよそ想像がつくだろ。ああ、一般にはあの空軍基地は別の場所ってことにされているからか?おそらく兄の仕事によるものだ、ぼくはわかったけど。最悪の場所だったよ。いまだにジャミングだらけで携帯電話は圏外にされるし他の電波帯もめちゃくちゃだし大雨は降るし」
「…なんで王女様がそんな場所に?うちにいるのも、すごいけど」
「人権だ支援だと真心から一般の障がい者を助けているとしても先天的な障がいのある”王族”は取扱いが難しいんだろう。小さい頃からメディア露出は最小限にしてあとは遠くに隔離しておけばフェードアウトはやりやすい。どうしても表に出ねばならない時には影武者を用意すればいい」

一瞬怒りのような、憐みのような薄汚い感情が腹の底でうごめいたが、相棒の冷静というか無関心な様子を前に僕は声を荒げることはしなかった。マイクロフトをぶん殴りたいとは思った。だがあのつるっとした顔が頭に浮かんだとき疑問も生まれた。

「マイクロフトはなぜ君に秘密の姫君と五日間ロンドン観光をしろなんて言って来たんだ。まさか、UMA調査のスタンプカードがいっぱいになった特典ってわけじゃないだろ」
「それがまだわからないから調査中だと最初に言った」
「ずっと日陰の生活を送っていたお姫様をかわいそうに思って、ひとつ旅行でもさせてやろうって思ったのかもしれない」
「レ・ミゼラブルを見ると嘔吐する男がそんなことを考えるはずがないだろう。この旅行の成否に少なくともロンドンが陥没するくらいのリスクがかかっていると見るべきだ」

あきれて天を仰ぎシャーロックは部屋の中へ戻って行ってしまったので、僕もあとを追いかけた。
リビングではちょうど、口の横にケチャップをつけた不可視光線を電子顕微鏡越えの倍率で見るらしい姫君が、チャイ・ティーの蓋付きカップをテーブルの上で転ばせたところだった。

「…目の前にある紅茶が見えないなら、やっぱり見えていないのと同じじゃないのか」
「知らん。他人が見る世界なんてでなくてもぼくは誰のも知らない。たいして変わりない」
「一周して偏見がないとこ、たぶん君のいいとこだぜ。半分よくて、半分悪い」






しっかりくっついていたカップの蓋と女王の加護が幸いしてチャイのこぼれた量は少なく、姫の御身もお召し物もうちの薄汚い絨毯も無事だった。
外はあいにくと冷たい雨が降ってきた。

「先ほどから雨が降り出しました。すぐ止みますでしょうから、少し、少々こちらで休憩なさって、このあとどこを観てまわるかお決めま、お決めしま、お決めなさいましょうか」

僕が機械みたいな動きをして噛みまくるのを見てうしろでシャーロックがため息したのを聞いた。だって仕方ないじゃないか、お姫様だぞ、お姫様!口をぱくぱくさせて後ろに訴えるが、シャーロックはバイオリンの弦をはじいてつんとしている。
僕だって王家の忠実なる下僕ってわけではないけれど、やはりこう間近に立つと態度も言葉も選んでしまう。
恐る恐る姫君に向き直り見えないのをいいことにちょっと踏み込んで姫君の光彩をじっと見つめた。こんな特異な目の色をしたお姫様が生まれたなんて報道が昔にあったろうか。

「お願いがあります」
「はっ!…はい、なんでありましょうか」

急に声をかけられて思わず陸軍の気を付けの姿勢をとってしまった。
姫君はひどく緊張したご様子で言葉を紡いだ。真面目なオーラが全身からにじみ出ていた。

「名探偵のお二人には語らずともすでにつまびらかになっていることと思っています。ですがどうか、この滞在のあいだは普通に接していただきたいのです。もしほかの方に知られたならばマイクロフトの二十余年におよぶ働きが水の泡になってしまう」
「マイクロフトと二十…っ、いえ、失礼しました」
「どうか、お願いします」
「はっ」

僕は最敬礼をしてしまってから、まっすぐに伸ばしていた指をゆっくり緩めた。

「…わかったよ」

姫は、はシャーロックのほうも向いた。

「ぼくはもとから敬意なんて持たない」

は心底ほっとした様子で胸に手をあて「ありがとう」ときらめく笑顔で微笑んだカワイイ。
僕は雑念を払うためにひとつ咳払いをしてから僕らの椅子と依頼人の椅子を三角形になるように配置にした。

「じゃあ、えっと、雨がやむまでおしゃべりでもしてみようか」

おそれながら。

話の間にに関してわかったことのいくつかを並べてみよう。
服装:高級そうなひざ下までの品のいいAラインスカートとブラウス、高級そうなカーディガン
容姿:すんごい美人!
性格:穏やかで口数は少ない方。まだ緊張しているからかもしれない
趣味:人が演奏するのを近くで聴く事
ロンドンで行きたいところ:特になし(?)
特徴1:きれいでなにやらすごいらしい目
特徴2:見た目よりもよく食べる。シャーロックの分のサンドイッチも自分の分だと思ってきれいに食べてしまっていた。
マイクロフトとの関係:仲良しらしい(シャーロック爆笑)

密室殺人も連続殺人も登場しない和やかなだけの会話に、シャーロックは途中から退屈で溶けそうなありさまだったがマイクロフトの話が出た途端、大喜びで食いついてきた。
によるとマイクロフトは昔からたまに家に遊びに来てくれて、その時には必ず小さなプレゼントも持ってきてくれる、ぬいぐるみとか花とか(シャーロック爆笑)。依頼の内容が済むと彼女の部屋でたあいもない話をするらしい、たとえば庭のバラの咲き具合のこととか(シャーロック爆笑)、ディナーを一緒にいただくときにはとなりに座ってどこになんの料理があるかを教えてくれる(シャーロック爆笑)、優しくてかわいい人だと(シャーロック爆笑)、そういう話を段階的に元気をなくしながら言ったので、僕はに気付かれないようにシャーロックの足を思い切り踏みつけた。



完全に日が暮れても冷たい雨は止む気配がなかった。
衛兵交代もビッグベンも音の鳴るイベントはこの時間でははとっくに終わってしまっている。夜開演のオペラやコンサートに連れて行ってやれたらよかったけれど、あいにくと手持ちがあれでこれで、それだった。

「楽しみは明日にしたほうがよさそうだ、残念だけど」

は微笑をたたえて首を横に振る。

「明日の予定を決めるのはとても楽しい時間でした。旅行は本当に小さい頃以来なのです」

明日衛兵交代式を見て、ビッグベンと、テムズ川を回ってショッピングモールで香水を見てまわる観光コースがさっき決まった。バッキンガム宮殿の近くに近寄っても大丈夫なのか一応尋ねると、は力強くうなずいた。

「残っている写真や映像は赤ん坊だった頃のものだけです。目の色もだんだんと変わって、今は昔とはまったく違う色になっているからほかの者に見た目で言い当てられることは無いだろうとあの者は言っていました。わたくしはその言葉と忠勤を信じます」

一点の曇りもなくマイクロフトのことを信頼しているのがひしひしと伝わってくる。騙されてはいないだろうかと心配になるが僕は笑顔で「いいね」と応えた。
シャーロックは僕が足を踏みつけて以降、も僕も無視して「爬虫類腐敗大全」なる禍々しい表題の本を長ソファに仰向けになって読んでいる。の純粋なまなざしがシャーロックのあの態度と本の表題を捉えることがなくて本当によかった。

申し訳なくてひっくり返りそうだったけれど、高級ディナーに連れて行ってあげられるほどのお金はなくて、夕食はこの埃っぽい部屋で僕のつたない豆料理になった。たいしておいしくないのは自分でも知っている。それでもはおいしいおいしいと言ってたくさん食べてくれた。社交辞令でやっているとは思えないいい食べっぷりで、そっちはシャーロックの分なんだけど…、とはとても言い出せる雰囲気ではなかった。
が二人前平らげた頃、シャーロックはというとソファに丸まってこっちに背を向けていた。

「いい加減にしろよ、シャーロック。いつまでへそを曲げてるんだ。君が悪いんだぞ、人の話を茶化したりするから」
「…」
「寝てるのか?シャーロック」
「…」
「寝てないな、まったく」

僕があきらめてキッチンののところに戻ると、ちょっと目を離したすきに椅子に座ったまま深く目を閉じは意識を失っていた。

、ちょっ、しっかりして」

揺すると、体が背もたれからずれて椅子から落っこちそうになった。息はあるし脈も正常だがそれでもは全く起きる気配がない。
僕はひとまずを床に座らせて、「シャーロック!」と小声で怒鳴った。

「彼女の食事になにを入れたっ」
「入れていない」
「じゃあなんで…マイクロフトか?」
「マイクロフトでも彼女を狙う秘密組織でもない」

碧い目がかっと開き、シャーロックは機敏に起き上がった。

「それなら一体誰がこんなことを」
「そもそもそんな組織はないんだ。拉致するなら僕と二人で移動しているとき、ロンドンに到着する前の方がよほどやりやすいだろうが何もなかった。そしてこの部屋で彼女を窓から見える位置に二時間も座らせていたが彼女を狙撃する輩はいなかった。それが彼女が狙われていない証明だ」

立ち上がり、シャーロックはぴんと張った背に手をやって彼の分析結果を聞かせ始めた。

「心配する必要はない。薬で眠っているわけではなく眠気を感じてから眠るまでの時間が極端に短いだけだ、昨日もそうだった。あれだけ部屋が余っている屋敷で大勢の使用人もいるなかでわざわざぼくに自分が眠るまでの読み聞かせをさせて、しばらくしたら糸が切れたみたいにぽっくり眠っていた。気づかずしばらく読み続けた恨みは忘れるものか。次会ったらマイクロフトのIDカードとクレジットカードを絶対スってやる。…どうした、ジョン」

読み聞かせ、君が、女の子に、眠るまで、
僕の言葉は紡がれることなく、水面の鯉みたいに口をぱくぱくさせることしかできなかった。
ようやく出たのは、本当に尋ねたかった事とは程遠い。僕はそれほどの放心状態だった。

「なに、読み、聞かせたの」
「幸福な王子、なんとかワイルド著」
「オスカー・ワイルド…」
「そう、そんな名前。どうでもいいから消去していた。意志を持って石造がしゃべりだし、鳥もしゃべるっていう恐ろしい話だった」

まずいものを食った時のようにシャーロックは顔にしわを寄せて首を横に振った。
とりあえず、シャーロックのことよりもいま美人がうちの汚い床で寝ていることをどうにかしなくてはいけない。そう言い聞かせて僕は正気に返る努力をした。

「彼女を送らないと」
「言っておくがぼくのベッドはダメだ、なぜならぼくのだから。君のベッドもやめておいたほうがいい。目が不明瞭なぶん嗅覚はするどくなっている」
「僕の枕から加齢臭でもするって意味か。誰がベッドまで送って行くっていったよ。僕は彼女をホテルまで送って行かなきゃって言ったの」
「意識のない女を抱えてタクシーに乗って、ホテルまでなんて言ったら通報されるぞ」
「…じゃあ」
「ハドソンさんは旅行中。鍵を壊すのは簡単だが家を壊すなと言ったのはジョン、君だ。すなわちそこのソファが適切だ。一人掛けが嫌ならこっちの二人掛けのほうでもいい」
「バッ、独身男二人の家に、王女様だぞ」
「そうか。階段はさすがに寒いと思うが風邪を引いてくれたら明日からの相手をしなくて済むから賛成する。だがマイクロフトには秘密だ。どうも彼女がお気に入りらしいから風邪を引かせたあとベーカー街にどんなミサイルを撃ち込まれるかわかったもんじゃない」

頭を掴んでこの膝をその高い鼻にぶつけてやりたかったが、うるさくしてはいけないという思いがいつもより僕を忍耐強くしていた。息を整える。

「わかった、君のベッドに寝かせよう」
「何もわかってないぞジョン。あれはぼくのベッ」
「ぼ・く・は、うえの自分の寝室で寝る」

さえぎって本気で語気を強めるとシャーロックはぴたりと黙った。

「…君はそこのソファだ。この配置は絶対だ。一人掛けが嫌なら二人掛けを使ってもいい。シャーロック、マイクロフトがなぜ信頼できる筋のうち、そういう立場の女性を君に頼んだのか僕はいまわかった。君だったらあの美人と五日間一緒にいても妙な気を起こさないからだ」

シャーロックは、理解不能、って顔をした。



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