【本館カラオケ】チキチキ☆ETUだらけのカラオケ大会！



ゲームの話題で傷ついた後藤が再びマッサージチェアの妖精と成り果てた頃、時計は午前0時を迎えようとしていた。
ホテル本館地下一階カラオケパーティルームではチープなミラーボールが精一杯にきらめき、エコーのかかった声が響く。



「背番号25番、上田研人！アゲさせていただきます！」



上田　「フライングゲット」　AKB48

「ふー･･･」
「先鋒おつかれぇい上田」
「丹さん、チューッス」
「あとはこの丹波先輩にまかせときな」
「イヨッ！合コン王!」
「ハッ悪くねえ二つ名だ。それでは皆様･･･ご起立のうえご唱和ください！」

丹波　「女々しくて（PV映像）」　ゴールデンボンバー

宮野　「小さな恋のうた」　モンゴル800

緑川　「美しく燃える森」　東京スカパラダイスオーケストラ

「ドリさーーーん」
「抱いてーーー！！」

清川　「キセキ」　GReeeeN

湯沢　「つけまつける」　きゃりーぱみゅぱみゅ

「きゃりー･･･ぱみゅぱｍ･･･あ゛？なんだって？」
「ぱみゅぱみゅッスよ堺さん」
「きゃりーぱみゅぱｍ･･･ぱｍ･･･ぱみぱ･･･」
「もうやめなよ堺さん。これ以上は自分が傷つくばかりだよ。ジェネレーションギャップつら」
「おうてめ石神、おまえと俺何個差だよ」
「ほら、良則くんったら次俺たちの曲だよ」
「は？」
「ほらマイク持って前前」
「絶対嫌だね。なんで俺が」
「はいはい、いいからいいから」

丹波＆堺　「Venus」　タッキー&翼

「堺さん、嫌がってた割には振りが完璧だな」

世良　「君と羊と青」　RADWIMPS

ガブリエル　「Go!!!」　FLOW

「え！？ガブ日本の歌うたえんだ！？」
「NARUTO！NARUTO!」
「あ、ああ向こうでNARUTOのアニメやってたの？」
「SYARINGAN！」
「ハイハイ」
「KAGEBUNSHIN ！」

殿山：セロリ　山崎まさよし

「おいおいおい誰だよ殿山のイントロで演奏停止押したのー」
「ガブおまえか。ダメじゃんかあリモコンいじっちゃあ」
「あ、いえ、べつにいいんですよ･･･」

石神：リンダリンダ　ブルーハーツ

堀田：AM11:00　HY

堺：Tomorrow never knows　ミスチル

佐野＋全員　「にんげんっていいな」

「バイバイバイ」というみんなの合唱と手を振るジェスチャーで「にんげんっていいな」が締めくくられた。
さて、まだこの場にいて歌っていないヤツがいる。
誰か
おまえだ

視線が選曲端末を持ったままの赤崎に注がれる。
視線に気づいた赤崎はしばらく黙っていたが、やがてどこか不機嫌そうにこう言った。

「これ、どうやってやるんすか」

度肝を抜かれた。

「どうやってって」
「だっておまえ、趣味音楽鑑賞なんだろ」
「好きっすけど」
「でもカラオケは行ったことないって！？おまえそれでもイマドキの若者か！今までずっと何して生きてきたんだよ！」

責められ、食って掛かるかと思いきや赤崎はぷいと顔を背け、ぽつりこぼした。

「･･･サッカー」



キュン



そのときである、空白を優しく埋め合わせるように明るい音楽が始まった。
巨大モニタには新しい曲名が表示され、ある男が立ち上がる。



緑川　「Pop Star」　平井堅



「「「「「「抱いてー！！！」」」」」



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