「十代目、お加減いかがですか」
「獄寺くん山本おはよう。点滴打ったらかなりよくなったと思うよ」

ベッドで身体を起こしていたツナは確かに昨日よりずっと顔色がよかった。

「そりゃあよかった!でも無理しないでくださいよ」

山本と獄寺はツナの着替えも持ってきてくれていて、それを受け取って着替えている間ふと気づく。

「そういば昨日はチビ達は誰が預かってくれたの」
「獄寺のねーちゃんが来てくれたから、なんとかなったみたいだぜ」
「今は家?」

Tシャツを頭から被って、汗で濡れた服は仕舞い退院の準備が整った。

「ああ、それなんだけどな」
「あのアホ牛がどうしてもついてくってきかなくて」
「でも見当たらないけど」

山本が微笑とも苦笑ともとれない笑い方をした。







「こんにちは」
「こん、にちは!」

ツナは直立不動だった。
二人から聞いた話だと
雲雀の知り合いで彼女じゃなくてチューしてなくてネイビーカップのさん。

(雲雀さんの知り合い)
(雲雀さんの知り合い)
(雲雀さんの知り合い)
(雲雀さんの知り合い)

「ああああの、ランボが迷惑をかけてしまったみたいですすすすみませんでした!」

”雲雀の知り合い”という時点でおびえていたツナは90度まで頭をさげた。なんなら地面に額を
こすりつけてでも許しを請おうと思っていた。

ところがどっこい

「お身体はもう大丈夫ですか」
「はいすみませんでした!・・・え?」
「ランボくん、お兄さん元気になってよかったね」
「ランボさんは元気だぞー!」

なで、なで。
なで?なで?

「十代目、雲雀じゃないんですからそんなに恐縮しなくても大丈夫っすよ。さんいい人っすよ」
「う、うん」

ベッドのそばまで行ってお礼を言ってからランボを受け取る。
あ、そっか。と近づいてツナは気づく。

この人は雲雀さんが噛み殺さない人なんだ。
気づいたら強張らずに笑えた。

「ありがとうございました。ほらランボもお礼」
「これあげるー」
「ぶどう飴?くれるの」
「あげる」

ランボの手からぶどう飴が渡されそれだけで部屋をでた。ツナは病み上がりだったので、
にうつすといけないという配慮からだった。家までの帰り道、「ありがとう」と笑って飴を
受け取ったを思い出してツナはぼんやりと思う。

「どした?笑って」
「ううん、ただ雲雀さんも意外とかわいいとこあるんだなあって」
「じゅ、十代目まで山本菌に侵食されてっ!抗生物質を、抗生物質の処方をっ」






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