山の池(f006)

(2006.2)

おおよそ1.5ha(1.5町歩)の水田をまかなうため、明治初期かそれ以前に造成されたとされる。はるかかなた約1.5kmの川の水源地付近より山の谷あいをぬって暗きょう、開きょう、橋を渡って供給されている。過去2回の決壊があり、最近では2001年の集中豪雨により決壊し、国の補助を受け近代的な水門を備える池に生まれ変わった。貯水量は、決壊以前より水位が下げられ又落ち葉などの堆積物により低下しているが、供給する水田も80%が貸し農園とか休眠田となり問題はない。水利権者8名で維持運営されている。

当時、この池を造るに当たっては、水利権問題の解決、他人の土地を通る許可、測量技術(水源地と池の高低差が極小で、先が見通せない曲がりくねった水路を田畑の利用者=お百姓さんがやった)等、言い伝えられている涙、なみだの物語がある。

スケッチ時は冬であるが、桜の咲く季節は山桜と新緑が水に映え、それはそれは美しい。

  決壊以前の池の樋の図解みる