■ 商店街の実態について

調査対象表

調査対象者 配布数 回収数 対象項目
商店街住民 200 121 A・B・C・D・E・F
連尺学区の市民 420 187

 B・C・D・E・F

一般市民 120 116

 B・C・D・E・F


A-1康生地区商店街の業種構成

「衣料品店」が34.3%と最も多く、他に「日用品店」・「食料品店」といった販売店舗の数が多い一方、「飲食店」が5.6%と中心街にも関わらず、かなり低い値になっている。このことから夜間の集客力低下につながっていると思われる。経営者の年齢層は「60歳以上」が最も多く、逆ピラミッド形になっており、経営者の高齢化が指摘されると同時に、早急な後継者対策が必要になってくると思われる。

図・表A-1 業種について

A-2業種別利用者層

「飲食店」、「食料品店」に29歳以下の利用者が無く、「日用品店」にも偏りが見られる。これは、中高年齢層が客層の基盤になっており、若者向けの飲食店、日用品点が少ないといえる。
「衣料品店」55.6%、「サービス業」22.2%、においては29歳以下の客が、全体の半数以上を占めている。

図・表A-2客層の年代について 

A-3-1 一日の入店者人数

「10〜29人」との答えが最も多く、平日と土日で入店者数に差は特に見られない。1週間のうち「最も多い日」でも、「60〜119人」が19店舗と増加し、ある程度人数に変化が見られが、1週間を通じてほとんど入店者数に変動が無いといえる。
この質問に対する無回答者は非常に多く、全体の3・4割を占めている。この結果のみで商店街全体について考察することはできないが、総じて来客数が少ないと言える。

図・表A-3-1 一日の入店者数

A-3-2一日の入店者ピーク時間帯

平日には、「10〜11時」23.5%、「16時〜17時」が12.2%「18時以降」が7.8%と多い。 「土曜日、日曜日には「14時〜15時」がそれぞれ27.2%・25.9%で入店者が集中することがわかる。平日と休日の客の質が違う事がわかり、土日の18時以降には商店街に客が少なくなってしまう傾向がわかる。全体的に12時頃の昼どき、16時以降の集客力の低下が目立つ。

図・表A-3-2 ピーク時間帯

A-3-3入店者数の多い曜日

「土曜日」との答えが36.8%で、来客者が平日の3倍近くある。「一日の入店者人数」についての質問では平日、土、日でそれほど回答に差はなかったが、「土曜日」が多いのは平日との客層や、来客時間帯の違いが影響しているためと思われる。また「日曜日」が少ないころから、日曜日に人が集まりにくい商店街の構造が出来上がっているといえる。

図・表A-3-3 入店者数の多い曜日

A-4集客力を高めるための工夫

「広告・ダイレクトメール」と言った宣伝の仕方が多く、「専門店化」「プロ意識の高い明るい接客」といったプロとしての立場で商店の独自性を作るものが多い。顧客の確保に対しては、「会員特典」「仕入れルートの工夫」「お値打ち品を随時置く」といったオリジナリティを求めた商品アピールを行っていることがわかる。

表A-4  集客力を高めるための工夫

A-5-1商店の所有形態

「自己所有」が67%と7割近く、「賃貸」は33%にとどまっている。外部からのテナントを受け入れにくい状態にある。

図・表A-5-1商店の所有形態

A-5-2建物の規模

2階建てが33.0%であり、都心としては低層である事が言える。

図・表A-5-2 建物の規模

A-5-3建物の築年数

「築10年〜築19年」「築20〜築29年」のもで半分を占めている。また、「築40年〜築49年」「築50年以上」の建物も4/1程度を占めている。木造店舗の対応年数22年、鉄筋コンクリート造の店舗の対応年数60年を考えると、多くの建物が改修若しくは、建て替えを検討する必要性を持っていると言える。商店街全体の外観面に変化をもたらす可能性がある。

図・表A-5-3 建物築年数

A-5-4居住状況

店舗と同じ建築物に住んでいる人が5割で、商店街の半数近くが職住一体となっていることがわかる。また居住の状況は7割の人が2階以上を住宅にしており、1階は主に店舗等、住宅以外に使用されている。

表A-5-4 居住状況

図A-5-4 居住場所 

図A-5-5 居住階

A-6将来2階以上を店舗とする可能性

現在1階のみを店舗として利用している人に対し、「利用するつもりはない」という回答が55.4%であった。消極的な意見と予想される「無回答」を含めると、8割近くの人が消極的であると言える。「利用したい」と答えた人が最も多い年齢層は「60歳以上」の20.0%であった。

図・表A-6 2階の店舗としての利用

A-7 店の将来性について

「40歳以上」では、「今のままでよい」という意見が約半分を占めた。年代別でも基本的な傾向はわからないが、「29歳以下」では、「近い将来拡張したい」という意見が50%あり、「30〜39歳」では意見が分散した。

図・表A-7 商店の将来について

A-8商店街活動への参加状況

「つきあい程度に参加している」が48.7%あり、活動に消極的であるが、「積極的に参加している」は28.3%あり、特に「29歳以下」33.3%、「60歳以上」34.3%と、若齢層・高齢層の意欲が高い。商店街運営への満足度と期待度が薄いことが伺え、「インフォギャラリー」の発案価値を伺える。

図・表A-8 商店街活動への参加について  

  

A-9商店街の活動費

「適当」が56.6%と、6割近くを占めている。その理由の代表的な意見としては、「活動していないため」であった。その一方で、「60歳以上」で「少ない」という回答が28.6%あり、「無回答者」の少なさから見ても、高齢者の商店街活性に対する意識が高い事が伺える。

図・表A-9 商店街の活動費について

『多い』と回答した人は、「成果が出ない」、「商店街活動をしたからといってお客が増えることはない」といった、消極的意見がみられ、商店街活動に不満があることが伺える。
『少ない』と回答した人は、「広い範囲での活動ができない為」、「店舗数の少なさと、高齢化による営業努力の不足」、「高い活動費を拠出しリスクを負って活動すべき」という積極的な意見がみられた。経営者の高年齢化や店舗の減少による危機感から、活性への前向きな姿勢を伺うことが出来る。

A-10商店街の活動費に対する自由意見

表A-10 商店街の活動費に対する自由意見

A-11-1高齢化の実態

グラフより、「20歳以下」の割合が多いが、「30〜39歳」以上では、年齢が上がるに従って、割合が緩やかに上昇している。現在の少子化、長寿化の傾向を考慮すると「60歳以上」の割合の増加は強まると思われる。「60歳以上」の健康なひとは、引き続き経営に携わることができるので経営者の年齢層が幅広くなってゆくと思われる。

図・表A-11-1 家族の年齢

A-11-2家族の職業

男性の11.4%、女性の18.5%が「会社員」として外に働きにでており、男性の29.7%、女性の39.5%が「自営業」という結果が得られた。

図・表A-11-2 家族の職業内容

A-11-3家族の趣味

「スポーツ」を挙げた男性が28%、「習い事」を挙げた「女性」が34%であった。その他は「音楽鑑賞」が男女共に回答が多く、男性では「ゲーム」が16%と2番目に多かった。

図・表A-11-3 家族の趣味

A-12商店街活動に対する自由意見

「商店街全体」について、「市・行政の大きなバックアップを期待したい」と言うような行政への要望が強くあがっている。
「各店舗」については、「各商店が自分の店の自慢できてこそ、商店街としての魅力が出る」、「各個店が独自で客を呼べる店になるように努めることで商店街が活性化される」など、商店街全体を考える前に、各店舗として自立し、活動してゆくことが、商店街全体の活性につながるという意見が得られた。
「商店街でのコミュニケーション」については、「年一回の会合で、コミュニケーションがとれない」「大型店を大事にする政治のやり方にみんなで頑張らなければならない」「隣接商店街との連携強化。面としての活動が必要」と言う意見があり、商店内部での連帯感を求める意見が非常に多い。また、「20〜30歳の人が帰って来つつあるので、青年部を組織してみたい」という若い世代への引継と育成を考える意見が得られた。
「イベント」については、イベント開催に当たって「空き地土コンサートなどを毎週開催する」と言うよな、空き地が目立つ中での新たな利用方法の提案もあった。

表A-12 商店街活動に対する自由意見


商店街の利用状況について



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