射し込む光と、生暖かい肌の感触の中で、微睡む…こうしてゆっくり休日の特権…遅寝を味わっていた。
横で一緒に寝そべっているお兄ちゃんの手が、からかうように私の背筋をなぞり始めて、
人一倍敏感な私の体が勝手に震え出した。
「んもう…止めてよ……」
やり返すようにお兄ちゃんの体に手を伸ばすけど、逆に抱きすくめられて身動きがとれなくなった。
「んやんやんゃんん…」
少しもがいてみたけど、すぐに力が抜けちゃって、こっちからも抱きしめ返していた。
温かさに包まれるように抱かれていると、嬉しさと気持ちよさで胸がいっぱいになる。
お兄ちゃんが居れば何も要らない。 お兄ちゃんに愛されて、全てを委ねていたい……
そう、思っていた。
「……今日は、暑いな。」
「……そうだね。」
汗にまみれた二人の体で、部屋の中は不快指数が上昇していた。
「なあ… 今日も暑そうだから、裸で過ごさないか?」
「えええ~~!? そんなの、恥ずかしいよぉ……」
「別に誰に見られるわけでもないだろ?」
「でも… 窓とかから…見えちゃうよぉ…」
「カーテン締め切って冷房かけてればいいだろ。」
「…………。」
「じゃあ百歩譲って裸エプロンならどうだ? 一応体は隠せるぞ。」
……なんだか本気でお願いしてくるお兄ちゃんに根負けしてしまった。
「……お兄ちゃんも、せめてTシャツとか着てよね。」
これは…予想以上に恥ずかしい格好だなぁ……
なんだか肌が出てる部分が多いからスースーして落ち着かないし、
隙間から(平坦な)胸が見えてそうで……
お兄ちゃんは「ムハー(*゚∀゚)=3」ってしてるけど…… あ、勃ってる……
「じゃあとりあえず朝御飯つくろうか。 ……ってもうお昼だけど。」
「ふふ、そうだね。」
とりあえず台所に立って食材を…
「お兄ちゃん?」
お尻に押し付けられる感覚がする。 そしてエプロンと胸の隙間に手が入ってきた。
「……いまはいいけど、包丁持ってる時はやめてよね。」
「……わかった。」
胸を触られながらだと目玉焼きすら焼けなくなる。
それでもなんとか仕上げて食卓へと逃げ出した。
「直にイスに座ると…なんだかお尻がちくちくするね。」
「そうだな。」
裸のままで普通に食事してるのはなんか変な光景。
お兄ちゃんもTシャツ着てて普通そうだけど、その下は裸だし…
外は炎天下でも、冷房で冷え切った室内では、お互いの体を暖め合うように抱き合ってしまう。
私の首をなぞって背筋を伝ったお兄ちゃんの指が、ぎゅっと私のお尻を掴んだ。
「ん…」
お兄ちゃんに触られただけで気持ちよさの電流が体中に走って、
ましてや背筋とかお尻とか敏感なところを触られると、それだけで…熱くなって…濡れてくる。
下に下がっていくお兄ちゃんの指が、膣内に入り込もうと周りを探り始めた。
「は…ん…」
ますます密着する体が、間にある薄い2枚の布すら邪魔に思わせていた。
お互いの顔も密着して、深い深いキスをしあう。
舌先が少しだけ擦れた。それだけで脳が爆発してしまいそうになって、体が燃え上がっていく。
「お兄ちゃんん… あ…!」
ストン、と身につけていたエプロンが足元に落ちた。
いつの間にか結び目を外されていたらしく、唯一身につけていた衣服は
なんの抵抗もなく下に落下して、肌を隠すものが一切無くなってしまった。
「もう~~~!」
こっちも仕返しとばかりにお兄ちゃんの服を脱がせる。
再び、ぎゅっ、とお兄ちゃんに抱きついた。
昨日もあんなにしたのに、またして欲しいって、今も思ってる。
「ココと、部屋と、どっちがいい?」
「……ココでするのは、恥ずかしいよ……」
まだ日も高いのに、こんな明るい所でするなんて…恥ずかしすぎる…
「…………。」
「お兄ちゃん?」
「ゴメン智香、もうガマンできない。」
「えぇ? きゃ…!」
私の体が持ち上げられて、小さな入り口にお兄ちゃんの熱い固まりが押し当てられる。
「ダ、ダメだよ! こんな所じゃヤダ!!」
「…………。」
「あ、あ、あぁぁ……」
自分の体の重みで少しずつ入れ込まれていく。
「いやぁ… お兄ちゃん、やめてぇ…」
泣き叫ぶように訴えるけど全然聞いてない。
むしろそれを聞いてさらに興奮しているのかもしれない。
「あっ、あっ… 怖い…やめて、よ…」
体全体が持ち上げられて激しく揺すられる。
繋がった一点が激しく擦られて痛みすら感じる。
でも……
膣内からはさらに液が溢れてくる。
迫ってくる顔に、顔を近づけて舌を絡ませ合う。
体が突かれて上下するたびに頭の中が小爆発を起こす。
お兄ちゃんに、お兄ちゃんのすることに、恐怖を感じつつも逆らえない……
きもちよくなってく……
「お、お兄ちゃぁぁあああ…」
絡み合っていた舌が離れて絶頂の波が体中を包んでいく。
「智、香…」
お兄ちゃんから燃えるように熱い液体が体内に注ぎ込まれている。
さっきとは比べものにならない程の大爆発が起こって、
体から力が抜けてお兄ちゃんにもたれ掛かった。
……いつの間にか、ぬるぬるとする二人の汗とは違う液体が、頬を伝い落ちていた。
「……お兄ちゃんの、ばかぁ……」
「智香……?」
「ばか、ばかぁ…… ひぐ、ひぐ……」
むせび泣きながらお兄ちゃんの頭を叩く。
「ホントに、怖かったんだよ…なんで止めてくれなかったのよぉ……」
「……ゴメン。」
まだ繋がったままのお兄ちゃんが頭の裏を撫でてくる。
「智香は部屋の方が良かったんだよな。 いま連れてってやるからな。」
「……乱暴なの、イヤ…… 怖かった……」
「……今度は優しくするよ。 約束する。」
「ホントに、約束、だよ…… もう絶対に、乱暴、しないで……」
まさか泣かれるとは思ってなかったのか、今度は本当に優しくしてくれた。
それでも……まだ怒りの気分は収まっていない。
だから、お兄ちゃんが『もうダメ』って言うまで、気持ちよくさせてもらった。
暗くなり始めた家の中を裸のままで歩く。
ぬるり、と体の中から漏れ出る感覚が股の間を伝った。
……コレを拭くためにトイレに行こうとしてたのに。
「痛…」
急に腹痛を感じた。
いや、コレは腹痛じゃない。 もっと位置が下で、もっと切ない痛み。
こんな痛みは今まで感じたことがない。
「おに、ちゃん… お兄ちゃん…!」
お兄ちゃんを呼びながら床にへたり込んでしまう。
「……あ~~? どうかしたのか智香~~?」
気の抜けたお兄ちゃんの声が聞こえてくる。
「こっち、来て……」
「どうした~~?」
「お腹、痛いの……」
「……トイレか?」
「……うん。」
なんとかトイレにたどり着いて座り込む。
ごぽ
大量に漏れ出る感覚がした。 いくらなんでも、こんなには出されていないと思う。
妙に思って便器をのぞき込むと……
そこに見えた光景は、赤だった。
悲鳴でもあげていたらしく、お兄ちゃんが激しくドアを叩いている。
「お、お兄ちゃん…… これぇ……」
半ばパニックで体が動かないまま、便器に浮かんだ血らしきものを見せる。
「こ、これは……」
「な、なに…? 私、どこか怪我でもしてるの……?」
「これは……たぶん、生理だよ。」
「生、理…?」
「初潮が、来たんだな……」
初潮、それは妊娠出来る体になった、ということ……
少し遅れていた初潮が来たらしい。
とりあえず血が出なくなるまで掻き出して、お風呂に入る。
お風呂から出てみると、お兄ちゃんがどこかに電話していた。
「…なんでこんな時にも帰って来れないんだよ!!
……ああ、そうするよ。」
「……誰に電話してたの?」
「親父と母さん。 ……二人共帰ってこれないってさ。」
「……。」
「明日になったら病院で診てもらおうな。 俺が付いて行ってやるから。」
「うん……」
生理が始まる。 それはいつも妊娠の危険が付きまとうということ。
生理用品の説明を聞きながら、漠然と思っていた。
お兄ちゃんと、お兄ちゃんと、すると…… 妊娠、してしまう。
今まで何も気にしていなかったけど、急激に恐怖が襲ってきた。
「智香… 智香、大丈夫か…?」
「! イヤ!!」
思わずお兄ちゃんから遠ざかってしまった。
「智香…?」
「あ…ゴメン。 何でも、無いの。」
触られただけで、何もされていないのに…怖い。
そしてなぜかお兄ちゃん自身にも恐怖を感じていた。
あんなにお兄ちゃんに安らぎを感じていたのに、今は……
「お兄ちゃん… 今日は、一人で寝るから。」
「ああ… もう、大丈夫だよな。」
「うん……」
その後も、お兄ちゃんに対する恐怖心は消えなかった。
お兄ちゃんは、そんな私の不安も知らずに抱いてくるから……
だから、お兄ちゃんに冷たくなってしまう。
そしていつしか、お兄ちゃんに触られることにも耐えられなくなり、
そしてお兄ちゃんそのものにも… 嫌悪感を、感じるようになっていた……