「植栽改善中期計画の見直し」により、ユリノキとラクウショウの一部を伐採する計画が持ち上がった。
ユリノキ伐採の理由は大木化、過密競合、生育不良で、ラクウショウでは過密競合であるが、
シンボルツリーのユリノキとラクウショウは、他の樹木の伐採方針とは別扱いにして考えた方が良い。
(1)上のギャラリーの写真・ユリノキ①は新宿御苑のユリノキで大木3本が非常に接近して植えられている(要Web検索)。
アイムでも比較的接近して植えているが、特に問題はない。伐採も剪定も必要なく、四角の中の9本全体がまとまって
植えられているのは珍しく、立派で綺麗に見える(前ページのギャラリーの写真)。保護すべき樹木の一つである。
東京国立博物館・ユリノキ③のように1本に仕立た大木より、むしろアイムの方がユリノキの特徴が現れていて良い。
新宿御苑のユリノキのように、2〜2.5m の間隔で植え付ければ、互いに枝を組み、風に対する抵抗力が強まることが
専門家より報告されている(下記リンク参照)。また、もともと大木化する樹木である。
(▶️<研究論文> 毛藤勤治, ユリノキという木, 岩手緑化研究会,1982;
<書籍> 毛藤勤治『ユリノキという木』Aboc-アボック社・環境サイン研究所,1989)
本書籍(pp.219–223)に「宮沢賢治の母校のユリノキ並木」の例が紹介されている。
ユリノキを伐採せずに、高伐施業により長く保存して欲しかったと回顧している。
👉アイムのユリノキは、高伐する(樹木の上部を切り高さを抑える)ことになり、伐採は免れた。(2022.10.1追記)
アイムのユリノキでは、間隔は6mである。理想的な間隔ではないが、正方形内にまとまっているので、風に対する抵抗
力は強いことが考えられる。また、新宿御苑とは異なり、周囲には建物があり強風から守られている。
(2)ラクウショウの写真(①と⑥)を見ると、下の方の枝張りはなく上方にだけ枝があるので、このような剪定も考えられ
るが、特に剪定しなくても良く、ましてや伐採などは必要ないと考える。今の状態で綺麗な樹形を見ることができる
(前ページのギャラリーの写真)。⑦と⑧は新宿御苑湿地の大木である。
ラクウショウは本来沼地などに繁殖していることを考えると、アイムでも「滝」の水を流してラクウショウの生育条件
を整えるのが良い。アイムの原状の植樹計画はよく考えられている。ラクウショウ1本も伐採された。
→多くの居住者は、ユリノキとラクウショウの一部を含めて伐採する樹木を知らないので、充分に時間を掛けて
議論し決定すべきである。庭園の樹木植栽物は居住者の所有物であり、居住者の要望を第一に考えるべきであ
る。植栽管理会社の計画を押し通すことは筋違いである。
(計画を立てた管理会社2社は2024年3月に撤退し、同4月からは他管理会社が新たに参入した。)