蓄熱システムの高効率化技術

蓄熱システム技術概論(クリックしてください)

蓄熱システムの分類・蓄熱パターンの分類・標準型蓄熱槽・蓄熱槽効率の定義・温度プロフィルの意義・制御の標準化・高効率化と省エネルギー化・不具合検知診断・蓄熱技術基準普及啓蒙活動

   ・蓄熱に関する文献集(空気調和 ・衛生工学会、199年まで)
   ・蓄熱用語集(ヒートポンプ・蓄熱センター)
   ・蓄熱トータルシステムダイアグラム

 

(財)ヒートポンプ・蓄熱センター:蓄熱技術基準策定活動


ヒートポンプ蓄熱センター蓄熱技術分科会(主査:中原信生)では蓄熱システムの技術基準、専門マニュアル、計測プログラム等の集大成致しました。

 

   ⇒蓄熱技術基準マニュアル体系について(SHASE2015)  論文  プレゼン

 

平成27年までに作成されたマニュアルプログラムには以下のものがあります。
全体の表と蓄熱技術基準運用マニュアルは⇒こちら

 

 

 

作成された技術資料に基づいて、各種テーマを主題とした研修会が、ヒートポンプ・蓄熱センターにて開催されています。蓄熱技術に関する情報、研修会に関する情報、各種技術資料のダウンロードに関しては、

 

こちら(ヒートポンプ・蓄熱センターのホームペー)
 

 

 

設計例集には下記のものが有ります。

 

水蓄熱
・蓄熱システムの設計例集1
.老人保健施設の水蓄熱システム
蓄熱システムの設計例集2.病院施設の水蓄熱システム
蓄熱システムの設計例集3.高層オフィスビルの水蓄熱システム
蓄熱システムの設計例集4.大規模店舗ビルの水蓄熱システム
蓄熱システムの設計例集5.官庁施設(寒冷地)の水蓄熱システム
 

氷蓄熱

蓄熱システムの設計例集I
事務所ビル(新設)の氷蓄熱システム
蓄熱システムの設計例集II
事務所ビル(リニューアル)の氷蓄熱システム
 

大温度差蓄熱・ファンコイルユニット式省エネ空調システム
−実証と提案−

ビルマルチパッケージ空調システムが普及するに伴い、空調システム技術の継承が危ぶまれてています。ビル及び地域のエネルギー利用システムに多目的性と省エネルギー性を提供し、かつビルマルチ方式のメリットとされる個別制御性を保証できるものとして、大温度差型ファンコイル式・蓄熱システムを、実プロジェクトに於ける実証結果とシミュレーションプログラムによるの省エネルギー性を明らかにします。

下記論文(実証との比較〜)第3報の結論部のエネルギー消費量比較結果の図を以下に示しますが、詳細は論文を参照して下さい。



・実証プロジェクトの発表論文(空気調和・衛生工学会大会論文、名称のみ
 大学施設のトータルビルコミショニングの実践研究、第1報〜第17報、2012.9〜2015.9
 (蓄熱空調システムの最適制御の大学施設における実践研究、第1報〜第3報を含む)

・実証との比較並びにシミュレーションプログラムによる検証に関する発表論文
 省エネルギー型大温度差水蓄熱・FCUー水・空気式空調システムの性能
  第1報 概要:   論文  プレゼン
  第2報 LCEMツールによるビル用マルチ方式とのエネルギー比較:  論文
  第3報 BESTとLCEMツールによる省エネルギー性の比較:  論文
       (外皮・躯体と設備・機器の総合エネルギーシミュレーションツール「BEST」の開発、その186)
  
空気調和・衛生工学会:蓄熱最適化委員会より

 

上述のヒートポンプ・蓄熱センターに於ける1998年度から始った技術基準の体系作業は、時期的には、これに先立つ、空気調和・衛生工学会に於ける1995年度より4年度に亙る、東京電力()委託による蓄熱最適化委員会の終了に引き続いて行われたものである。またその学会の委員会はそれ以前の数度に亘る学会の蓄熱委員会を引き継いでいるものであるので、ここには最適化委員会の最終報告書の序文を掲載し、その事前情報として参考に掲載します。

 

・活動概要(最終報告書序文)

本報告書は1995年度より四年度に亙る、東京電力()委託による蓄熱最適化委員会の最終報告書である。以下に研究経過を振り返りながら締めくくりの言葉としたい。

第一年度のテーマは「蓄熱式空調システムの最適化制御と故障・異常診断に関する研究」とし、サブテーマとしては、最適化制御に関するものとして「蓄熱制御用負荷予測手法に関する研究」、「VAVシステムの最適制御法の調査研究」を、故障 ・異常診断に関するものとして「蓄熱システムの異常検知・診断の研究と運用の現況と課題」を、そして両者に関連するものとして「蓄熱システムの設計・制御のための動的シミュレーションの役割」に関する予備的研究から発足した。さらに第五のサブテーマとして蓄熱 ・蓄熱システムに関する研究論文のデータベース作成することとした。これらは予備的研究とはいえ、第二のテーマを除いて各テーマともに先立つ研究成果が存在するので、それをレビューして本研究で焦点を当て進展させるべき所を明らかにした。第二のテーマ「VAV・…」に関しては比較的研究報告の少ない場面であるので、現在よく用いられているVAVユニットの形式とその制御内容のレビューを行い、研究のターゲットを絞ることとした。

  本研究は高度の研究要素を含みながらかつ一貫して実務的であることが求められており、実務実証の場として新設の東京電力
()技術開発研究センタービル(以下、センタービル)が提供された。同ビルは省エネルギーと新エネルギーシステムの実証の場として活用されており、建築 ・設備ともに省エネルギー思想が徹底し、その効果を分析し性能を確認するために十二分の計量とデータ採取とが行われている。また、新しく開発されたアルゴリズムはこの中に取り込んで実証することも比較的容易である。これにより最終年度である今年度になって一部のテーマが実装実証の手続きに入った 。

  第二年度からは研究タイトルを「蓄熱式空調システムの異常診断・適正制御の研究」と変えることとなって今年度に至っている。ただしサブテーマのうち第二のサブテーマを「コミッショニング
(性能確認 ・確保)に関する研究」と改め、独りVAVシステムのみでなく、最も重要と認識された蓄熱システムそのものの試運転調整、検収のためのコミッショニング(性能検証)を付け加えて適正制御の性能確認法の確立を目指した。もともと初年度においてVAVをサブテーマとしたのは、変動する送水温度、或いは送水温度最適化との関係でVAV制御動作の最適化を計ることが目的であったのであるが、各所の実際的運転実態を観測するに、蓄熱水温自体が異常に変動している例が多いこともあり、蓄熱槽周りの性能検証法の確立そのものが優先的であると考えられたのである。

  第一のサブテーマである熱負荷予測は熱源運転制御の最適化に必須のツールで、その良し悪しが電力平準化効果と運転経済性を支配する。勿論人が付きっ切りで運転制御する方法もあるが深夜運転を原則とする蓄熱システムでは不経済に尽きるほか精度は良くない。センタービルにおいては年間負荷データベースを運転経験に基づく多種の修正係数を適用する負荷予測アルゴリズムを適用しているがこれを自動化してかつ精度を上げなければ普及は無理である。一方、最適蓄熱運転のための負荷予測ソフトは各種提案されているものの、共通の基盤に立つ性能評価はかつて行われたことが無い。第一年度のレビューにおいてその必要性が抽出され、
ASHRAEで行われたベンチマークテスト(以下、BT)の事例を参考に、この委員会が主体となって当学会始まって以来の画期的な国際公開BTを行うこととなった。これに基づいて第二年度は準備作業と参加者募集、第三年度に二つのビルの実データを用いたBTの実行と評価、第四年度に総合評価とフォーラムでの成果発表を行った。その結果については本報告書に詳しいが、インターネットウェブサイトの設立、サイトを通じての申込み登録、データのやり取りなど、インターネット時代に相応しい情報交換システムを確立するために担当委員の献身的な努力があったことを付け加えておきたい。

 第二のサブテーマであるコミッショニング
(試運転調整 ・性能検証)は第三のサブ テーマに関連が深い。すなわち、蓄熱システムが試運転調整において十二分に調整し性能検証されて初めて初期基準性能が確定し、故障検知・診断の実行はこの基準性能との比較において行われる。勿論負荷変動や性能劣化に基づくシステム特性変化を勘案しなければならないが、これは故障検知システム側の守備範囲である。現実のシステムが、曰く言い難き関連者間の認識と技術と連絡の不整合によって調整不全のままに運転に突入し、設計施工サイドからの十分な情報伝達の無いままに、蓄熱採用の所期の目的からして極めて不経済 ・不適当な運転状態にあるのが実態である。本研究では蓄熱システムの各コンポーネントについて手順と方法、その意義と判定基準について詳しく説明したチェックリストを作成し、実システムでの実証を行った。前述の現状から言えばこれは言うまでもなく余分な作業であり、あまつさえ十分な計測データも無いことが多いけれども、それは今まで成すべき事を為してこなかったに過ぎないのであるから、今回作成したマニュアルの活用が望まれる次第である。VAVシステムの調整 ・検収については一般的なマニュアルではなく、センタービルの実態に即した調整のあり方を取りまとめることから一般的方法の確立への展開を図った。そして第四のサブテーマと協調して正常 ・不具合な状況に対する実験的考察を行い、さらに新しい制御アルゴリズムの提案を行っている。

 第三のサブテーマである故障検知診断(
FDD)は、運転制御を通じての省エネルギー ・省資源化の確立のために今後最も重要な手段となり得る、極めて重要なツールの開発にかかるものである。それがどれほど重要であるかは残念ながら定量化も難しく、現在気付いている関連者は少なく、徒にエネルギーと金の垂れ流しに、また同時に室内環境の適正化に至っていないのである。従って先ずはその重要性を建築主 ・設計者・保守管理者に認識させるキャンペーンを行うことが必要であるが、その効果を同定するために、また、それを実現する手段を確立することとともに併行して行わねばならない。この技術確立にはヨーロッパの国々が特に熱心であるが(事実、空調におけるこのサブテーマそのものの実際的な原点は欧米の国々とともに行ったIEA-Annex25の共同研究である)、本研究のサブテーマの下に行った研究内容もそれに勝るとも劣らない先進性を有している。このことからもこのテーマの成果は今すぐ実務に活用出来る、という段階に至ってはいないが、それでも一部のアルゴリズムをセンタービルのシステムに実装して検証しようという努力が本年度行われた。四年間の研究を通じて、検知診断の対象は蓄熱槽そのもの、蓄熱システム、そしてVAVなど二次側システムに及び、多彩なアルゴリズムが提案されているのは将来への大きな展開を予測させるに十分である。

 第四のサブテーマはこれもまた上記の
IEA-Annex25の国際共同研究を契機としてその意義と役割がわが国に紹介され、識者に認識され始めているものである。本研究ではアメリカ生まれのこのプログラムを日本の土壌に馴染むように日本版に組みかえること、日本特有のシステム、研究開発されたソフトの組込み、そして何よりも普及のための日本語マニュアル作りと、プログラムの精度を立証するために実ビルの実システムにおける実測データとシミュレーション結果を比較して再現性を立証することであった。第一、二年度は日本版の作成と、センタービルをシミュレートすすための特殊タイプ(例えばゾーン間の空気混合、ベンチレーション窓、建物庇など、何れも汎用化される)の開発を主として行い、第三、四年度はセンタービルを含む二件のビルでの再現性検証のための実験とシミュレーションを主とし、日本版マニュアルの最終整備を行った。筆者がHVACSIM+プログラムを手に入れて実に十年の余にしてこれを日本化することが出来ことは感無量であるが、これを一般に普及するために為すべき事はまだ多く残されている。そしてこれが一般化すれば前記各サブテーマにおけるシミュレーションツールとして絶大な効力を発揮すると期待される 。

  第五のサブテーマである論文データベースは空気調和・衛生工学会、日本建築学会、日本冷凍空調学会の会誌・論文集・梗概論文集などを対象として集大成した結果、
1000編になんなんとする論文をリストアップするに至り、その統計解析結果を含めて報告書に掲載することが出来た。蓄熱関連論文が急増している現今、このデータベースはこのまま放置すること無く、何らかの方法で新たな発表論文を追加していくフォロー態勢を敷くことが好ましい。

  以上のほか、最後に蓄熱関連用語集を載せている。用語についてはこれまでも当学会おいて整理されたものがあるが、蓄熱システムが普及するにつれて新しい用語、不用意で誤解を招く用語、一般の工学用語との関係の不明確などが目立ち始め、さらに氷蓄熱が普及しメーカーが参入してくるに及んで
JIS規格と空調設計者の理解との食い違い、慣用表現と規格との差を明らかにする、などの必要性を痛感するに至ったので、筆者が各方面の意見を徴しながらこれを総合的にまとめたものである。

 以上を省みて自画自賛になるが、蓄熱システム適正運転制御のための課題の多くが明らかにされ、実用のためのツールも充実し、今後展開すべき課題も明らかにされた。この機会を与えて頂いた研究委託者の東京電力
()技術開発センターに感謝するとともに、ご多忙と不景気のさなかのこの委員会活動を支えて下さった委員各位の努力と熱意に、ならびに委員所属機関の御厚意に感謝を申し上げる。さらに頻度の多い委員会開催と毎年大部の報告書作成にかかる手間を厭わずに協力して下さった学会事務局の担当者にお礼を申し上げる次第である。

 折りから、
()ヒートポンプ ・蓄熱センターにおいて今年度より蓄熱システムの技術基準とプログラム整備が開始された。その推進には本研究委託者である東京電力()もスポンサーの一であり、本研究成果は勿論独自のものとして評価されるものであるが、そのほかに上記の開発 ・整備活動にも貢献するところが多いと思われる。両々相俟って蓄熱システムの最適設計・施工・運転管理に貢献できることを祈って止まない。

 199931

空気調和・衛生工学会  蓄熱システム最適化委員会委員長

中原 信生

 

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