月ぬ美しゃ十日三日 <ツクヌカイシャ トゥカミッカ>
美童美しゃ十七つ <ミヤラビカイシャ トゥーナナチ>
ホーイ チョーガ
―ウージ畑にななめにそそぎ
遠い波の音と交わり
手の届くくらい近く
あんなに大きくあるお月様
お月様がのぼれば真昼のようさ
寝るにはおしい夜
大人たちは浜辺で酒盛り
僕たちは広場で影踏み
池のまわりはホタルがいっぱい
星が降りてきたみたいさ
「じんじん」と歌いかけたら
もっと明るく光ったよ
おばーの子守歌は「月ぬ美しゃ」
ウトウトした瞳の中
枕元まで遊びにきた
月の光もゆらゆらゆれたよ
おばーの昔話は「笑う魚」
クバオージの風の中
「笑う魚」といっしょに
夢の中を泳いでいったよ
■書始−91/12/23:曲有。 ◇「月ぬ美しゃ」、「月ぬ真昼間」、「トゥバラーマ」。八重山
の夜は、毛遊びのウキウキ気分と透明な神聖さが同居している様な気がします。