♯沖縄島巡りの旅--エイサーの夜(沖縄本島−コザ)
・「エイサー」は、沖縄の保育園、幼稚園、小学校の運動会の定番メニューです。
ウチの息子も、踊りました。埼玉の友人が沖縄旅行でやってきた時に「息子が
小学校の運動会でエイサーを踊り、うまいとほめられた」という話をしていました。
沖縄のゴーヤー全国区に続くのは、沖縄の「エイサー」かもしれませんね。
・「エイサー」の原型は、慶長の薩摩入り後に普及した「念仏踊り」だという説があります。
歌詞の方は、「おもろさうし」(沖縄の万葉集の様な書物)の中の、「エサオモロ」
にも見られるので、十五、十六世紀以前から歌い踊られていたと考えられています。
その後、「浄土真宗の僧・袋中上人」や「京太郎(チョンダラー)」の影響を受けながら
一般大衆が育て上げ、沖縄中に広まったのが、現代の沖縄「エイサー」です。
・「エイサー」の名は、そのハヤシ「エイサー、エイサー、ヒヤルガ、エイサー、スリ、
サーサー、スリ」から来た説と、前述の「エサオモロ」からきたという二つの説があります。
「念仏踊り」が、原型の為、当初は黒い袈裟に似せた衣装で踊っていたと考えられ、
現代の平敷屋「エイサー」の黒衣装と、ゆっくりした動きは、原型に近い形に思われます。
また、先祖をお送りするのが目的なので、旧盆最終日のウークイ(お送り)の夜に踊られます。
・沖縄の「エイサー」で、男性は、ベストのような形の黒や青の服(袈裟が省略された形)に
太鼓を持ち、女性は絣に鉢巻で踊るの一般的です(地区毎にそれぞれ特色があります)。
太鼓は、大太鼓2名〜6名、パーランクー(手持ちの太鼓)は、10名くらいです。
隊形は、縦列や円陣と曲によって縦横無尽に変形して行き、パーランクーを持った男性は、
飛び上がって打つ、パーランクーをぐるっと回して打つ等のアクロバット的な型で打ちます。
女性は、主に手踊りとなりますが、小道具として手拭いや扇子(日の丸)も使います。
・今では、旧盆になると沖縄本島のあらゆる地域で「エイサー」が踊られますが、
昔から「エイサー」の一番盛んな地域は、コザを中心とした沖縄本島中部です。
コザの園田の「エイサー」、煌びやかで勇壮な安慶名の「エイサー」など、他の地区の
青年団が「踊り方を教えて欲しい!」と頼みにくる程、見事な踊りを披露してくれます。
・私も妻の実家のある宜野湾(ぎのわん)で旧盆のウークイ(お送り)の晩に聞こえて来た
「エイサー」のハヤシにひかれて、村の広場に「エイサー」を見に行きました。
一緒に行った親戚のアメリカ人も「とてもエキサイティングな踊りだ!」と言っていました。
沖縄の「エイサー」は、お盆に帰ってきてくださった先祖に対するお礼の心と、明るくお送り
しようとする若者達のあふれるばかりの情熱で踊られるのですから、「エキサイティング
でない訳がないな!」と、私もうなづいておりました。
(042-2012/08/11)