♯沖縄島巡りの旅--勝手にウィリー(沖縄本島−宜野湾)
・私が初めてバイクを買ったのは、沖縄本島中部の宜野湾に
住んでいた時で、2万5千円の中古原付でした。
私は、仕事に、ドライブにと、まるでペガサスの羽根を得た様に
昼だけでなく夜も、心のままにドライブを楽しみ始めました。
・私のペガサス号(当時バイクに名前などありませんでしたが)は、
ご主人様の命令に忠実に、昼はアルバイト出勤の足となり、
夜は山中の道、海沿いの道を、ご主人様の心が満たされるまで、
どこまでも走り続けてくれました。その頃のお話です。
<不思議な海鳴りの夜>
・バス通りより裏道好みの私は、宜野湾の長田交差点を琉球大学
向けに走り続けて、突き当たりを左に曲がる裏道をよく走りました。
昼は、普天間やコザへ抜ける裏道として車も通りますが、人家も
街灯も少ないので、夜になるとほとんど車が通らない裏道でした。
・その裏道をちょっと走ると物凄い半端でないヘアピンカーブの道が
出現します(まるで楕円形を半分に切ったようなカーブです)。
その夜、ヘアピンカーブの一番尖った部分にバイクを止めて、
煙草を吸っている時に微かですが「海鳴り」の音が聞こえたのです。
・そこは、山の端っこに当り、距離的には海までは2キロくらい
かもしれませんが、位置的には、海ははるかに下になります。
風向きのせいにする程の風も吹いておらず、何か不思議な夜でした。
その後何度かその場所で耳をすませましたが、二度と「海鳴り」の
音は聞こえませんでした。
<勝手にウィリー>
・バイクの曲乗りの一つに「ウィリー」という、前輪を浮かせて後輪だけで
走るワザがあります。このワザは、自転車でもできるワザですから、
バイク走行中のバランス調整ができるようになると誰でもできるワザです。
中には、必要もないのに「ウィリー」で発進するバイク乗りもいます。
・宜野湾の長田交差点は、バス通りが交わる大きな交差点です。
私は、家路を急ぎ、長田交差点を走り抜けようと発進した時でした。
わが愛車ペガサス号が、ま昼間の長田交差点のど真ん中に踊り出て
『勝手にウィリー』をやってしまったのです。
右も左も信号待ちの車の中、私とペガサス号は一瞬にして「長田交差点
のスター」となったのでありました(あ〜恥ずかしかっ〜た〜)。

◎不思議な海鳴りの夜がありました。
(043-2012/08/25)