♯ヒコさん心の一曲−10番街の殺人(ベンチャーズ)


・「テケテケおやじのリハビリ」−これは脳卒中で倒れたテケテケ
 という名前のおじさんのリハビリ物語です。
 というのは嘘です。最近本屋で見かけた音楽雑誌のサブタイトル
 です。「テケテケおやじ」とは、若かりし頃ベンチャーズ等の
 初期のエレキブームに狂った若者(=今のおやじ世代)の事
 です。急に(?)昔を思い出し、久しぶりに押入れから出して
 きたエレキギターを弾いてみたが、昔の様に指が動かないオヤジ
 の為の「エレキギター練習のリハビリ」という意味です。

・友人が通販でエレキギターセットを買ったのは、中学校の頃
 でした。エレキギターセットとは,聞いたことのない様な
 メーカーのエレキギターと小型のアンプと教則本の三点セット
 で売っている奴です。僕達は、その白いエレキギターでさっそく
 憧れのベンチャーズに挑戦しました。編成は、エレキギターと
 フォークギターと調弦を1オクターブ下げたクラッシクギター
 (ベース代わり)です。ドラムその物も、ドラムを叩ける人も
 おりませんでしたのでドラム無バンドでした。

・ちょうどその頃、転校した友人がいたのでテープを作って贈る
 事にしました。「CrazyBoysT」−名は体を表すのか?
 これが、アルバムタイトルです。
 ベンチャーズナンバーから「ダイアモンド・ヘッド」、「雨の
 御堂筋」、「東京ナイト」そして「バットマンのテーマ」。
 ビートルズナンバーから「悲しみはぶっとばせ」、「イエスタデイ」。
 ポピュラーソングから「ラ・パロマ」、「鉄道員」。
 「狂走局No18」−「天然の美」という曲をコミック調にアレンジ
 して中学生パワーで一気に作り上げた作品です。
 そして最後は「のんびり行こうぜ」で締めている。何でもやります
 バンドの走りのデビューアルバムです。
 ちなみにそのテープは、私の手元に今も残っています。
 
・ベンチャーズのカッコよさはなんだろうと思ったりします。
 曲がカッコよくて、テクニックも抜群で−いわゆる実力派バンド
 である事は確かです。ボーカル無であそこまでカッコいい。
 聞かせるギター、乗り乗りギター、エコーガンガンギター(クーラー
 ガンガンの部屋にいる様な気分になってきます。)

・そんな中「10番街の殺人」は、最初のディミニッシュコードのスライド
 ⇒ドラム⇒ベースのスライド⇒サイドギター⇒そのお膳立ての後入って
 くる探偵小説をそのまま音にした様なメロディー。途中のサーカスを思
 わす様なキーボードも気分を盛り上げます。
 「10番街の殺人」というタイトルも意味深でイメージが広がります。
 「ダイアモンド・ヘッド」、「パイプライン」を初級、「キャラバン」
 を上級とすると「10番街の殺人」は中級クラスのいろんなギターテク
 ニック天コ盛りの絶品だと思います。

 (106-2005/01/30記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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