♯ヒコさん心の一曲−エーゲ海の真珠(ポール・モーリア)


・皆さんはマジックショーの時に流れる音楽というと何を
 思いだしますか?よく使われる曲で「ミドシラミド〜 
 ミドシラミソ〜ファ〜」を聞いた事があるのではないかと
 と思います。これはポール・モーリア楽団の「オリーブの
 首飾り」という曲です。軽快で気品のあるメロディーが
 マジックの華麗さに花を添える一曲だと思います。
 
・アメリカのジャズには、ビッグバンドという編成があり、
 トランペット等の管楽器中心でジャズを演奏します。
 ポール・モーリア楽団は、バイオリン等のストリングが
 中心のクラシック編成ですが、エレキ・ベース、ドラムを
 入れたり、ラテン楽器を入れたりと何でもありの編成です。

・日本にポール・モーリア楽団の名前を知らしめた大ヒットは、
 「恋は水色」です。12弦ギターとストリングスから始まる
 この曲は、アメリカのポピュラーや日本の歌謡曲にない、
 まったく新しいジャンルとして「イージーリスニング」とか
 「フランスのムード音楽」と呼ばれました。

・「恋は水色」、「涙のトッカータ」、「エーゲ海の真珠」、
 「オリーブの首飾り」、「蒼のノクターン」、「二人の天使」、
 「サバの女王」、「白い恋人たち」、「ヘイ・ジュード」‥‥
 ロックでもフォークでもクラシックでもとても聞きやすい
 味付けに編曲してくれます。原曲を知っている人にとっては、
 いわゆる「毒気的」な部分もソフトに処理されていて、物足り
 なく感じるかもしれませんが、私は編曲する際にとても良い
 手本となっております。
 
・「エーゲ海の真珠」−イントロは、小さめのトランペットが
 実に印象的です。1回目のメインメロディーは、ピアノで演奏
 されます。短調ですが、ヨーロッパ調の気品が香るメロディー
 です。そして、長調へ盛り上がって行きます。
 いわゆるサビの部分は、フルオーケストラで飛ばして行きます。
 つなぎに魅力的な女性のスキャットが入り、その後、チェンバロ
 であの短調のメロディーが戻ってきます。そしてまたサビへ盛り
 上がって行く‥‥
 私は、短調のメロディーも好きですが、長調のフルオーケストラ
 の部分にクラシックではできないカッコ良さを感じます。
 それは、クラシックのオーケストラに単純にドラムやエレキベース
 が加わっただけではない独特のカッコ良さです。

・この間、首里の金城町の石畳を歩いていたら「恋は水色」が
 チャイムで聞こえて来ました。たぶん学校の時間を告げる
 チャイムと思われます。何か懐かしくなり立ち止まり、思わず
 聞き入ってしまいました。
 あんなにヒットし一世を風びしたポール・モーリアやレイモン
 ルフェーブル楽団の音楽も、今はほとんど聞かれる事はありま
 せんが、彼らが伝えたメロディーは生き続けてこうして首里の
 丘に響いています。
 
 (111-2005/02/06記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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