♯ヒコさん心の一曲−四季(ヴィヴァルディ)


・戦後バロック音楽ブームのキーワードはヴィヴァルディ
 のヴァイオリン協奏曲『四季』とイ・ムジチ合奏団の
 二つだと思います。
 昭和40年代、日本人の生活に少しゆとりが出来た頃に
 世界的にヒットしたのが、イ・ムジチ合奏団が演奏する
 ヴィヴァルディの『四季』でした。

・この世界的ベストセラーレコードを聞きたくてステレオ
 を購入する人が出たくらいですから、そのブームはすご
 かったです。私は小学生でしたが、父はブームの初め頃
 にイ・ムジチの『四季』を買って聞かせてくれました。
 曲ごとにソネットという短い詩がついているのですが、
 まさに「音の絵画」というか、詩をそのまま音で表現で
 きるヴィヴァルディの才能に感嘆しながら聞いた事を今
 でも覚えています。

・『四季』の一曲目は「春」です。春が来た喜び、野山は
 新緑に輝き、鳥が歌うという風景をヴァイオリン協奏曲
 という形式で見事に表現しています。この「春」の正確
 な名前は知らなくても、誰でもどこかで必ず聞いた事が
 あるメロディーだと思います。
 
・その髪の色から「赤毛の司祭」と呼ばれていたヴィヴァル
 ディは、元々聖職者でした。ミサの途中で突然ひらめいた
 「フーガの主題」を書き留める為に席を離れました。これ
 が問題となり付属女子孤児院オーケストラの専任指揮者に
 左遷(?)されました。その結果『四季』をはじめとする
 500曲以上の名曲が生れることとなりました。やはり
 天才にはその才能を開花させる場所が準備されている様
 ですね。
 
・その他のヴィヴァルディの曲も映画の主題曲やCMなど
 に使われております。映画「野生の少年」では「ピッコロ
 協奏曲」が、映画「クレイマー・クレイマー」では「マン
 ドリンとギターの二重奏曲」などが使われて有名となり
 ました。

・ヴィヴァルディの最後は、ある女性と旅に出て旅先で死
 んだと言われています。今「ヴァイオリンを持つヴィヴァ
 ルディ」の絵を見ながら、「この人は天衣無縫の天才
 だったのではないかな〜」と想像をめぐらせております。

 (201-2005/07/02記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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