♯ヒコさん心の一曲−交響曲第9番合唱(ベートーヴェン)


・モーツアルト(1756年〜1791年)享年35歳
 ピアノソナタ−17曲
 ピアノ協奏曲−27曲
 交響曲−41曲

・ベートーヴェン(1770年〜1827年)享年56歳
 ピアノソナタ−32曲
 ピアノ協奏曲−5曲
 交響曲−9曲

・モーツアルトとベートーヴェンの曲数比較をしてみました。
 単純に曲数で見たら、早死にしたモーツアルトの方がピアノ
 協奏曲と交響曲では、倍以上の作曲数です。「モーツアルト
 は天才、ベートーヴェンは才能と努力の人」という言葉が
 あります。たとえば、彼らが残した自筆の五線紙。
 モーツアルトのものは修正した後がありません。つまり頭の
 中で完成した音楽を五線紙に書き取ったという状態なのです。
 ベートーヴェンは、必要な部分は何度も書き直しています。
 最後は、切り取った五線紙を上から貼っている曲もあります。

・ベートーヴェンは、天才でないのか?
 先程の「才能と努力の人」という言葉が、当たっていると思
 います。一度は出来上がっている曲を、再度見直し、もっと
 いいアイデアが出れば躊躇なく書き直す。
 これがベートーヴェンのやり方でした。

・じゃ天才モーツアルトは、傑作ばかりか?
 ある評論家は、『モーツアルトは、傑作も多いが駄作もある。』
 と言っています。私は、独身の時にCD400枚からなるモーツ
 アルト全集を買いましたが、たしかに「私のモーツアルトレベル?
 (人によって違う)」に達していないと思われる曲もあります。
 
・ベートーヴェンの交響曲は、第3番英雄、第5番運命、第6番
 田園、名前はありませんが第7番と第8番も良い作品です。
 そして、『交響曲第9番「合唱」』。いわゆる日本の年末の風物詩
 となっている「喜びの歌」です。
 なぜ日本では、年末になると第9を演奏するのか?
 私は、物事に何でも節目をつけたがる日本人が「終わりよければ
 すべて良し」的発想での選択ではないかと思っています。第9は、
 演奏する人にも聞く人にもまさしく「喜び」を与える名曲ですから。

・ベートーヴェンの最後の交響曲『第9番「合唱」』は、後輩の
 作曲家ブラームスをして、「この交響曲を超える実力がつくまで、
 私は交響曲は作曲しない!」と言わしめた曲です。
 ブラームスが歳をとってから作曲した交響曲第1番は、意表を
 つく不協和音とインデアンの太鼓(失礼)のようなティンパニン
 で始まる耳目を惹きつける名作となりました。

・私にとってのベートーヴェン実体験は、『交響曲第9番「合唱」』
 を歌った事です。日本の第9の権威の方々が、わざわざ沖縄まで来て
 指導をしてくださいました。ドイツ語は意味というより、音で覚える
 のがやっとでした。本番は、音を外してしまったりしましたが、
 全体合唱の圧倒的な響きの中、『今、僕は第9を歌っているんだ!』
 と、感動したことを覚えています。
 
 (208-2006/07/08記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

BACK  INDEX  NEXT