♯ヒコさん心の一曲−新世界より(ドヴォルザーク)
・中学校の時の音楽のI先生は、女性の先生でしたが、
「弁当ベンではありません、ベートーヴェンです。」
という駄じゃれなども織り交ぜて授業を行うので、
生徒に人気がありました。音楽鑑賞の時間においては
「顔を伏せて聞いても構いませんが、寝ては駄目です
よ。」というスタイル(?)でした。私にとって「顔
を伏せて聞くスタイル」は、音への集中力を増させ、
頭に描かれるイメージがより鮮明になりました。
・音楽鑑賞でドヴォルザークの『新世界より』を聞いた
のは中学1年生の時かと思います。第2楽章ラルゴが
家路という別名で有名なあの交響曲です。「遠き山に
日は落ちて〜」という歌詞もついて、ドヴォルザーク
の代名詞ともなっている曲です。
・ご存知と思いますが『新世界より』とは、アメリカ合
衆国の事です。ドヴォルザークが、1892年から2
年間ニューヨークのナショナル音楽院で学長をなった時
に作曲されて、1893年にニューヨーク・フィルに
より初演されています。
・『新世界より』に使われている素材には、黒人霊歌や
アメリカ・インディアンのメロディーがあります。
ドヴォルザークは、これらの5音階のメロディーを聞いて、
故郷ボヘミアの民謡やスラブの民族音楽に驚くほどよく
似ている事を発見しました。彼自身の体に血の様に流れて
いる故郷のメロディーと新世界で聞いたメロディーが、
彼の体の中で見事に消化・発酵してできた名曲が、この
『新世界より』であると思います。
・『新世界より』は、4楽章構成でできており、どの楽章
もメロディアスであり親しみやすいと思いますが、私が
一番好きなのは第4楽章です。最後に盛り上げて終わろう
という楽章ですが、頭の出だしから最後まで高揚した気分
を持続させてくれる第4楽章は、初めて聞いた時から大好
きな楽章であり、私に元気をくれる楽章です。
(209-2005/07/30記)
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。