♯ヒコさん心の一曲−夏の思い出(中田喜直)
・曲の出だしクイズです。「♪夏が来〜れば 思い出す〜」と
くれば???⇒江間章子作詞、中田喜直作曲『夏の思い出』!
ハイ!正解!賞金750万円!(欲し〜い〜ナ〜〜!)
もしこんなクイズが出たら、私はもちろんのことですが、
「回答が曲名だけでいいなら」正解率は75%以上ゆくの
ではないかと思います。
日本の梅雨があけ、セミの声が聞こえ出す頃、どこかの
ラジオ局で、一日一回はかかる曲『夏の思い出』。
・『夏の思い出』が、邦楽トップ10に入った事はないと
思います。しかし、邦楽の目まぐるしいトップ争いとは
まったく別の世界。演歌とも違う。う〜ん名称をつける
とすれば、日本の「合唱曲」ベスト1(?)でしょうか。
日本人なら、曲の出だしを聞いただけで心が和む名曲。
それが『夏の思い出』だと思います。
・『夏の思い出』は、決して技巧的に凝ったり、複雑な
コードを使った曲ではありません。しかし、スーッと
素直に入ってきて、日本人の心の琴線に触れるのです。
秋になれば「小さな秋見つけた」、冬になれば「雪の
ふる街を」。中田喜直は、日本人の心の原風景にメロ
ディーをつける素晴らしい才能に恵まれました。
・『夏の思い出』の風景は、水芭蕉が咲く夏の尾瀬です。
作詞の江間章子は、「尾瀬の入口までは行ったけれど、
中には入らなかった。」と、ラジオの番組で正直に告白
していました。理由も言ったかどうか忘れてしまいまし
たが、尾瀬の入口から、創造力豊かに「♪はるかな尾瀬
遠い空」と、素晴らしい詩を作り上げました。
・中田喜直は、横浜に住んでいたので何かのコンサートの
舞台で見たことがありますが、一見どこにでもいる普通の
おじさんという感じでした。しかし、自作のピアノ曲を
弾く姿とその素晴らしいテクニックに、音楽家としての
実力を思い知らされました。
・良くも悪くも変わりゆく日本。日本の四季の変わりめに
不死鳥のように蘇り、日本人の心の原風景を思い出させ
てくれる中田喜直メロディーは、これからも歌い継がれて
ゆくと思います。
(303-2006/08/26記)
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。