♯ヒコさん心の一曲−花(滝廉太郎)


・またまた曲の出だしクイズです。「♪春の うららの〜」と
 くれば???⇒武島羽衣作詞、滝廉太郎作曲『花』!
 ハイ!正解!賞金1,000万円!(欲し〜い〜ナ〜〜!)
 もしこんなクイズが出たら、私はもちろんのことですが、
 「回答が曲名だけでいいなら」正解率は75%以上ゆくの
 ではないかと思います。
 三寒四温も終り、ひばりが空高くさえずり出す頃、どこかの
 ラジオ局で、一日一回はかかる曲『花』。

・『花』が、邦楽トップ10に入った事はないと思います。
 しかし、邦楽の目まぐるしいトップ争いとはまったく別
 の世界。演歌とも違う。う〜ん名称をつけるとすれば、
 日本の「二重唱曲」ベスト1(?)でしょうか。
 のどかな春の隅田川の風景。古き良き時代の日本の情景。
 それを目の前に思い出させてくれる『花』。

・『花』は、決して技巧的に凝ったり、複雑なコードを
 使った曲ではありません。しかし、ピアノのイントロ
 から、「春を迎えた喜び」に心が軽快に走りだし、
 日本人の心の琴線に触れるのです。
 四季のはっきりした日本では、冬の寒さが終り、春を
 迎える喜びが、一番大きいのではないでしょうか。
 そして、春の象徴、日本人が大好きな花、桜が日本中
 に咲き誇ります。隅田川のほとりも桜並木がどこまでも
 続き、川面に写る桜並木のなかを、船は軽快にすべって
 ゆきます。
 
・若くして亡くなった滝廉太郎。もう少し長生きしていれば、
 更なる名曲を生み出していたことと思います。実に残念です。
 「荒城の月」−日本人の判官びいきを代弁するような名曲です。
 「箱根八里」−めくりめくメロディーが彼の才能を、余す所
 なく現わしています。
 滝廉太郎も、日本人の心の原風景にメロディーをつける
 素晴らしい才能に恵まれていました。

・東京下町生まれの人と仕事をした事があります。その人に、
 下町の祭りと隅田川の花火大会に誘われた事があります。
 ハッピを着た友人は、まるで別人の様に見えました。そして、
 神輿を担ぐ男達の顔は引き締まり、額には玉の汗が光ってい
 ました。花火大会の花火は、逆さまに隅田川に写り、天と川
 の美の競演にしばし我を忘れて、見とれておりました。

 (304-2006/09/03記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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