♯ヒコさん心の一曲−丘をこえて(古賀政男)


・またまたまた曲の出だしクイズです。「♪丘を〜こえて
 ゆこうよ」とくれば???⇒島田芳文作詞、古賀政男作曲
 『丘をこえて』!
 ハイ!正解!賞金1,250万円!(欲し〜い〜ナ〜〜!)
 もしこんなクイズが出たら、私はもちろんのことですが、
 「回答が曲名だけでいいなら」正解率は55%以上ゆくの
 ではないかと思います。
 「素晴らしい歌には、素晴らしいパワーがあります!」
 藤山一郎のあの笑顔、あの声で『丘をこえて』を歌われ
 たら「気分は北海道!」で「でっかいドウ!」になります。

・『丘をこえて』を初めて聞いたのは、テレビの「ナツ
 メロ特集」だと思います。テレビの藤山一郎は、この
 曲の素晴らしさを、体いっぱいに表現していました。
 それは、振り付けとかでなく、声を使って「歌に込める
 真摯な思い」だけで表現しきるという感じです。
 昔の歌手に共通していますが、直立不動で歌った東海林
 (しょうじ)太郎などは、その典型的な例だと思います。

・私はそこに、歌う人と聞く人の「歌に対する敬い」を感
 じます。とても素直に共有される「歌への思い」。
 「たかが歌、されど歌」。言霊(ことだま)をメロディー
 に乗せているのですから、威力は倍増です。
 美空ひばりは、「酒は涙か溜息か」を歌うと必ず泣きました。
 自分の人生とダブってしまうのか?演出効果なのか?
 しかし、「歌に命がけ」の気持ちが伝わり、もらい泣きを
 した日本人は多いと思います。
 
・作曲の古賀政男は、福岡県柳川市(やながわし)の出身です。
 この曲は、明治大学卒業の春に、彼が所属したマンドリン
 クラブの仲間と行ったハイキングがきっかけだったと、
 自伝に書いています。ハイキングから下宿に帰った夜、
 楽しかったハイキングの思い出と学生時代ももう終わると
 いう感傷の中、わいてきたメロディーが『丘をこえて』
 だそうです。何と曲が先で、詩は後からなんですネ。

・戦後の焼け野原に流れた「リンゴの唄」は、何もかも無
 くした日本人の心に、復興の力を与えたと言われています。
 「素晴らしい歌には、素晴らしいパワーがあります!」
 『丘をこえて』や今も歌い継がれるナツメロには、
 現代人が忘れかえている「素直で素晴らしい歌のパワー」
 があると、私は感じています。(敬称略)

 (305-2006/09/09記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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