♯ヒコさん心の一曲−貴方のいない部屋(因幡 晃)


・大学時代の事です。フォーク同好会の部室へ行くと
 テープが置いてありました。フォーク同好会の人間
 としては、テープを見ると何が入っているか聞きたく
 なってきます。(誰でもそうかもしれませんが‥)
 私は、さっそくラジカセにテープを入れました。
 ニルソンの「ウィズアウト・ユー」のようなピアノ
 のイントロ。そしてカッコいい声−
 「わかってください」で聞きなれているこの声は、
 まさしく因幡 晃です。テープは、因幡 晃のファー
 ストアルバム「何か言い忘れたようで」だったのです。

・「グリーンのカーテンゆれている すい残しの煙草の 
 貴方のにおいがなつかしい〜」
 そして、この曲はアルバム一曲目『貴方のいない部屋』
 だったのでした。
 「何か言い忘れたようで」のアルバムには、ヒット曲の
 「わかってください」、「別涙(わかれ)」が入っている
 ファンには涙もののアルバムです。

・『貴方のいない部屋』は、まるでフランス映画を見て
 いる様な曲です。「白い文鳥」、「チェックのタオル」、
 「深いソファー」、「カウントベイシー」のBGM,
 「カトリーヌ・ドヌーブ」のポスター。
 歌に出てくる小道具も今までの歌になかったものばかり
 です。そんな部屋で、ドアを半分開けてモト彼を待つ
 女性は、フランス人ばりの岩手美人を想像せざるおえ
 ません。因幡 晃は、岩手県出身と聞いているので‥‥

・「わかってください」の編曲は、前回の谷山浩子でも
 登場したクニ河内です。「わかってください」のイントロ
 は、パイプオルガンです。初めて聞く人の耳を捕らえて
 しまう荘厳さを醸し出し、素晴らしい効果を上げています。
 クニ河内は、どうもパイプオルガンが好きみたいです。
 中島みゆきのアルバム「御色なおし」で中島みゆきが
 歌う「かもめはかもめ」でもパイプオルガンを使い、
 素晴らしい効果を上げております。

・このアルバムを通して聞くかぎり因幡 晃の歌には、
 「相手に対する恨み」というより「きれいな別れ」と
 「相手への感謝」が感じられます。「別れた相手を悪く
 言いたくない」という思いが働いているのかもしれま
 せんが。歌で表現する訳ですから、如何様にも表現
 できる訳です。中島みゆきの様に「うらみま〜す〜〜!」
 と歌ってもいい訳です。ここが因幡 晃の優しさであり
 「女性をシビレさせる」所であると思われます。

・最近大ヒットした「冬のソナタ」のテーマ曲を聞いた時
 因幡 晃の『貴方のいない部屋』を思い出した私です。
 こんなカッコいい声と才能溢れた因幡 晃は、今、どこで
 何をしているのでしょうか?気になるところです。
 
 (317-2005/04/16記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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