♯ヒコさん心の一曲−贈る言葉(海援隊)


・福岡出身である事(私も本籍は福岡です)。四月生まれの
 牡羊座である事。中学、高校と失恋の連続だった事‥‥等で
 私は、タレント武田鉄矢に、とても親しみを感じています。
 武田鉄矢の活動範囲は、フォークシンガー、俳優、そして
 作家でもあります。あえて作家としたのは、どっかのゴー
 スト・ライターが書いたアイドル歌手の嘘本作家(?)と
 区別する為です。私は、武田鉄矢の書いた本は、ほとんど
 読んでいます。若い頃に読んだ本を、古本屋で見つけ、
 つい購入してしまい、二度読んだ本もあるくらいです。

・ひとくちにプロ(自称を含む)の作家といっても、読み易い
 文章を書く作家、読みにくい文章を書く作家、稚拙な文章を
 書く作家と、いろいろな作家がいます。
 読み易いかどうかは、読者側の読解力や読書量にも原因が
 あるのかもしれませんが、今まで一番内容の濃い文章を書き、
 注意深く読まざるおえなかった作家は、ノーベル文学賞を
 受賞した大江健三郎です。
 すらすら読めておもしろのは、やはり司馬遼太郎です。
 武田鉄矢は?というと、人生の身近な事を話題にして自分
 の経験も含めいろいろな示唆に富む、読み易い文章を書く
 作家だと、私は思っています。

・海援隊は、武田鉄矢と中牟田、千葉の三名で結成された
 フォークグループです。海援隊と前後してデビューした
 九州出身のアーティストは、チューリップや井上陽水です。
 海援隊は、ご存知「母に捧げるバラード」で大ヒットを
 飛ばし、NHK紅白歌合戦に出場し、「コラ!鉄矢!」は、
 流行語になったほどでした。しかし、次のヒットに恵まれず、
 次の年のNHK紅白歌合戦は、奥さんと二人で喫茶店の皿
 洗いのアルバイトをしながら見たと著書に書いてありました。
 「海援隊は一発屋で終わるのか?」という自問自答が、心
 かすめる日々だったと思います。

・しかし、武田鉄矢はその独特の風貌と個性が功を奏したのか、
 あの高倉健の共演者として映画「幸福の黄色いハンカチ」に
 出演しました。その上、共演者としての賞も、もらいしました。
 そして、運命の当り役ともいえる「3年B組金八先生」の先生
 役で、俳優という地位を確立しました。
 私事ですが、母方の大工をやっていたおじいさんの名前が、
 金八でした。「3年B組金八先生」のテレビが始まった頃、
 「オイは、今日テレビ出演バイ!」と言っていたそうです。

・「3年B組金八先生」は、シリーズ物となり高視聴率をキープ
 してきました。『贈る言葉』は、第1シリーズのテーマソング
 として海援隊が、作りました。武田鉄矢の詩に千葉が曲をつけ、
 テレビの内容とも見事にマッチし、大ヒットしました。
 そして、今では卒業式の定番曲としての地位も確立しています。

・「♪求めないで優しさなんか 臆病者の言いわけだから〜」
 『贈る言葉』の歌詞で一番光る一節です。
 私はここで言う臆病者とは「人に優しさをあげることに、臆病
 な人」と理解しています。極論すれば、「人に優しさをあげら
 れなければ、人からの優しさを求めても貰えないよ。」という
 歌詞だと解釈しています。親の無償の優しさもありますが、
 人間社会で生きていく時、場面によっては「優しさもGive and
 Take」となる場合もあるのです。自分の心に「優しさ」を持って
 まわりの人を見直すと、その人のまったく別の面が見えてきて
 「優しい言葉」をかける小さな勇気が湧いてくると思います。
 
 (320-2006/03/25記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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