♯ヒコさん心の一曲−何が悲しいのだろう(南波照間雅彦)


♪何が悲しいのだろう 夜更けの酒
 酔えない酒は 思考を鈍らせるだけ
 あ〜手の平に 夢あふれんばかりの日々

・『何が悲しいのだろう』?
 「五十近いオヤジのくせして、何が悲しいかわからんのか!」
 もう一人の自分がウルサク聞きます。
 「でも、悲しみで心が張り裂けそうなんだ・・」
 目をふせて、私は答えます。
 「いい歳をして!この甘ったれが、いいかげんにしろ!」
 もう一人の自分が叱ります。
 「・・・・・ ・ ・」
 悲しみと疲れのなか、私は聞こえないようにため息をつきます。

♪何が悲しいのだろう 夜更けの涙
 衰えていく体と スピード上げて過ぎる日々
 あ〜草枕 入道雲立ちのぼる夏の日

・井上陽水の歌に「人生が二度あれば」という歌があります。
 人生は一度きり、十七歳も二十歳も三十歳も四十歳の時も、
 一度きりです。もし、人生がやり直せるとしても、それは、
 「非可逆性」の人生でしょう。
 「非可逆性」とは、一度変換したものに元に戻す変換をかけ
 ても、完全には元と同じものには戻せないという属性です。
 それに、人生のいったい何をやり直せばいいのでしょうか?

♪何が悲しいのだろう 夜更けの詩
 とりとめのない言葉は アイマイなフチどりたどる
 あ〜霧の朝 線路を横切った冬の日

・単純ですが、死ぬ時に心から「あ〜いい人生だったな。みんな
 ありがとう。」と言えれば、幸福な人生だったと思います。
 大金持ちが、盛大な葬式をやっても、億単位の札束を棺桶に入
 れても、あの世に持っていけるものは、自分の魂だけです。
 あの世の入口では、この人生で「どれだけ魂を磨いたか?」の
 チェックが待っています。磨くどころか、曇ってしまった人は、
 いわゆる地獄(?)行きです。自殺者も似た境遇だそうです。

・仏教の四苦八苦の一つは、「生老病死(せいろうびょうし)」です。
 「生まれこと、老いること、病気になること、死ぬことの苦しみ」
 老病死はわかるにしても、仏教では生も苦しみと考えるのです。
 人は快適な(?)あの世から、更なる魂の磨きの為に業(ごう)の
 渦巻くこの世に生まれてこなければいけないのです。
 最近、この意味がわかりかけてきた気がしています。

 (412-2006/10/07記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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