♯ヒコさん心の一曲−ツイスト・アンド・シャウト(ビートルズ)


・ビートルズのデビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」
 (1963年発売)のラストを飾る曲が『ツイスト・アンド・
 シャウト』です。
 1962年10月5日に発売された実質のデビューシングル
 「ラブ・ミー・ドゥ」は、最高チャート17位に終わりまし
 た。翌63年1月11日に発売されたシングル「プリーズ・
 プリーズ・ミー」は、2月16日に全英チャート第1位に輝
 きました。そこで急遽アルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」
 の制作が決定されたのです。

・プロデューサーのジョージ・マーティンは、ビートルズの
 ステージの迫力そのままにアルバムを作ろうと考え、スタ
 ジオ・ライブ風に仕上げるという試みを行いました。
 アルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」は、オリジナル8曲、
 カバー6曲の全部で14曲入っていますが、録音は、たった
 一日で行われました。
 これらの曲は、彼らが何度もステージでやっている曲ばかり
 なので練習はいりませんが、ジョージ・マーティンのスタジオ・
 ライブ風のテイクが録れるまで、何回も演奏しなければなりま
 せんでした。

・その日のジョージ・マーティンのOKをもらった最後のテイクが、
 アルバムに収められている『ツイスト・アンド・シャウト』です。
 曲の最後のたぶんポールの「ヘェイー」の掛け声の後に、うめき
 声のようなものが入っていますが、これは、メインボーカルの
 ジョンの「終わったー!」という安堵感と、「疲れたー!」と
 いう心地よい疲労感の両方が入り混じった声だと私は、勝手に
 理解しています。

♪シェイクだ!ベイビー!
 ツイストしながら、叫ぼう!
 君のツイストは最高だハニー
 もっと僕のそばにおいでよ
 君はもう僕のものだ

・『ツイスト・アンド・シャウト』は、黒人男性トリオ、アイズレー・
 ブラザースのカバー曲です。
 「ツイストでシェイクしながら叫ぼう!」もう乗り乗りですね。
 可愛いハニーを抱いて、「今夜は最高!」で決まりです。
 初期のビートルズのステージのエンディングや時にはオープニング
 でよく演奏されました。一気にステージを盛り上げる為には、乗り
 やすく、ストレートな『ツイスト・アンド・シャウト』がピッタリ
 だと、ビートルズは判断したのだと思います。
 
・『ツイスト・アンド・シャウト』の中間部で「アー」というコーラス
 を7thコードで積み上げて行き、曲に戻るという部分があります。
 ビートルズは、音程もしっかりしていますし、曲に戻る部分に掛け声
 などを入れてうまく戻っていますが、素人バンドやプロのビートルズ
 のコピーバンドでも、ばっちり決めるのが難しい箇所です。
 逆に『ツイスト・アンド・シャウト』のこの部分の出来上がりで、
 「そのバンドの実力がわかる」と、私は思います。

 (502-2006/11/12記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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