♯ヒコさん心の一曲−エイト・デイズ・ア・ウィーク(ビートルズ)


・『エイト・デイズ・ア・ウィーク』直訳すると「1週間に8日分」。
 「1週間に8日分」、何なのでしょうか?
 もちろん「1週間に8日分 君を愛している!」です。
 「君がいないと夜も昼もないんだ!」が高じて、金曜日か土曜日か
 日曜日がダブルカウントされているのでしょうか?

♪君の愛が必要なのさ
 本当に本当に必要なのさ
 君もそうなって欲しい
 この気持ちと同じくらい
 
 抱いておくれ 愛しておくれ
 抱いておくれ 愛しておくれ
 この愛は誰にも負けない 
 1週間に8日分 愛しているよ(=『エイト・デイズ・ア・ウィーク』)

・この曲は、アルバム「ビートルズ・フォー・セール」の8曲目。
 レコードの場合は、B面1曲目に当たりました。
 この曲は、フェード・インという録音技法が使われています。
 イントロをいきなり普通の音量で始めるのでなく、だんだん大きく
 していくのです。すると、曲が段々迫ってくるというゾクゾク感が
 出てきます。レコードをひっくり返してB面に針を降ろしたら、
 フェード・インのイントロ。「カッコいい!」、「ウッ!ヤラレタ〜」
 という驚き。そして、溢れ出るジョンとポールのダブルボーカル。
 「痺れる〜〜!!!」

・「痺れ」がおさまったこの歳となって『エイト・デイズ・ア・ウィーク』
 の他の凄さもわかる様になりました。
 「コード進行」、「オンコード」、「短調と長調の対比」‥‥。
 今では、当たり前の技法でも、あの当時、バッチリ決められるバンドは、
 ビートルズくらいだったと思います。
 
・「コード進行」−C調(ハ長調)に直すと「C−D−F−C」。
 CからDmでなくDへ行き、更にF、Cで一回りする循環コード
 ですが、下手なメロディーをつけると音がぶつかってしまう進行
 です。しかし、いいメロディーが乗ると、その意外性がとても面白
 いコード進行で、ビートルズはもちろん大成功しています。

・「オンコード」−ビートルズは、「C−D−F−C」の進行をイントロ
 でも使っていますが、ベース音をずーっとCコードのルート音(根音)
 のドで通します。これは、オン・コードというテクニックで‘/’や
 分数のように表します。ですから、イントロは、
 「C−D/C−F/C−C」となり、ベース音にドが鳴り続ける事と
 なり、更にイントロをドラマティックにしています。ビートルズの、
 もう一工夫は、リズムを三連譜(1つの音符に三つの音を三等分して
 弾く)で決めて、ドラマティックの度合いを最高潮にしています。
 また、「痺れる〜〜!!!」

・「短調と長調の対比」−歌詞の「抱いておくれ 愛しておくれ」の
 繰り返し。同じ事を二度繰り返してもおもしろくないと、コード進行を
 一回目は、「Am−F」。二回目は、「C−D」と変えています。
 部分的ですが、短調と長調を使って、巧みな曲調の色分けをして
 います。さすが、ビートルズ、細かい所までアイデアいっぱいです。

・シングル・ヒットも十分に期待できる『エイト・デイズ・ア・ウィーク』
 でしたが、イギリスではシングル・カットされず、アメリカのみシングル・
 カットされ、全米ナンバー1に輝いています。『エイト・デイズ・ア・
 ウィーク』は、「アメリカ人好みの明るく爽やかなロックだったのだ!」
 と私は勝手に考えております。
 でも、今聞いてもイントロのフェード・インから「痺れる〜!!」曲です。

 (508-2006/12/24記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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