♯ヒコさん心の一曲−ヤー・ブルース(ビートルズ)


♪そうさ!俺は淋しい! 死んじまいたいよ
 そうさ!俺は淋しい! 死んじまいたいよ
 けど オメオメと まだ生きている
 ナゼだかわかるかい? お前に

 朝がきたら 死んじまいたいよ
 夜になったら 死んじまいたいよ
 けど オメオメと まだ生きている
 ナゼだかわかるかい? お前に
 
・「ホワイト・アルバム」2枚目の2曲目。「バースデイ」
 のハードな余韻が終わらないうちに『ヤー・ブルース』。
 私が、小学校高学年で初めて聞いた時、「ジョンはナゼ?
 こんなに死にたがる?」、「朝も死にたい!夜も死にたい
 って?どんな精神構造?」。やはり、この曲は、小学生の
 理解域を超えていました。「『ヤー・ブルース』は、言葉
 遊びなどでなく、ある日のジョンの正直な心の叫びなんだ!」
 と、思えるようになったのは随分後でした。

・「ロックンロールは、黒人ブルースの強い影響を受けて生
 まれた。」と言われます。確かに初期のロックンロールは、
 ブルーノーツ(ブルース特有の音階)や、ブルースコード
 進行を使ったりと、露骨なほどブルースの落とし子という
 感じでした。ロックンロールという言葉自体SEXを意味
 する黒人のスラング(英語の方言)だったと聞いています。
 
・「ギターの神様」エリック・クラプトンもブルース好きです。
 彼が手本とした黒人ブルースシンガー「ローバート・ジョン
 ソン」を聞きました。ギター1本でテクニック溢れるブルース
 弾き語りアルバムですが、私には、みな同じような曲に聞こ
 えて、正直「心から楽しめる」とは言い難いという感想です。
 「ブルース」−日本人の私には「曲のフレーバーには魅か
 れるけど、根本からの理解は難しい?」という思いがします。

・「♪そうさ!俺は淋しい! 死んじまいたいよ」と繰り返す
 ジョン。最後は「ロックンロールにもウンザリだ」とさえ歌
 っています。「孤独」と「閉塞感」と「希死願望」と‥‥
 もう「うつ病」か「精神病」の世界です。しかし、ジョンは
 死にませんでした。死ぬどころか、殺されてしまいました。
 主夫をして育てた息子のショーンに「お父さんは、ビートルズ
 のメンバーだったの?」と、聞かれた事を契機に、ミュージ
 シャン復帰の矢先「スターティング・オーバー」の曲とともに。

・「♪けど オメオメと まだ生きている ナゼだかわかるかい? 
 お前に」。ジョンに「わからないから教えて。」と聞いてジョン
 が、具体的で納得できる答えをくれてたかどうかはわかりません。
 「死(自殺)の誘惑」は、人生のあらゆるシチュエーションで
 訪れます。ある時は「気分的に」、ある時は「唯一の解決法」の
 ように‥‥。でも、私は死にませんでした。死ねませんでしたが
 正しいかもしれません。「死ぬ勇気があるなら、今の問題にぶち
 当たる勇気もあるはずだ!」又は「こいつが頭の上を通り過ぎる
 まで、かがんで待つのも人生の知恵だ!」これらの言葉と、中年
 以降は、仏教の教えが裏付けとなってくれました。
 
・「ストレスや死の誘惑を、発散できる物がある人は幸せです。」
 ジョンは、デビューしたての頃「ギターが大好きなんだ」と発言
 しています。ギターは、クラシックもロックもブルースも奏で、
 一人でもバンドでも楽しめる、とてもフレンドリーな楽器です。
 私も、ベットに寝ころがって、ギターでメチャ歌いしたり、メチャ
 弾きしてストレス発散をしていました。
 「方法や物は何でも良いのです。人に迷惑をかけずに発散でき
 れば。」一人で悶々と考えるより、絶対にいい対応の一つです。
 お気楽に聞こえるかもしれませんが、発散できる何かを常日頃
 から物色して、一つでも持った方が良いかと思います。

 (521-2007/3/24記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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