♯ヒコさん心の一曲−ユー・ネバー・ギブ・ミー・ユア・マネー(ビートルズ)


・ピアノのイントロ、渋く光るFM7コードに心も揺れて。
 エレキの歪んだからみは、利害前面の交渉、その心労
 を表しているようで、そっけない音がまたいいです。
 見通しのきかない局面に、神に願う気持ちと、ツバを
 吐きかけたい気持ちが林立し、今の心を素直にポールは、
 歌います。
 ♪ユー・ネバー・ギブ・ミー・ユア・マネー
 『お前は、絶対に金を渡さず 訳のわからん書類ばかり
 くれる もう いい加減にしてくれ!』と。
 
・ビートルズ4人が苦手だった、ビジネスやプロモートの
 仕事をすべて引き受けていたマネージャーのブライアン・
 エプスタインが死んだのは、ビートルズが、マラケシュ
 研修会でインド人マハリシュ・ヨギに瞑想の方法を習っ
 ている最中でした。訃報の直後、4人の茫然自失の顔と
 受け答えが、映像に残っています。

♪お前は、絶対に金を渡さず 
 訳のわからん書類ばかりくれる
 そして 交渉途中 
 いつも 嘘泣きをはじめる

 ‥‥

 けどさ この変ちくりんな感覚
 俺の中に とどまっちまってる
 そう この変ちくりんな感覚
 俺を占領して 離さないよ

・ビートルズは、自分達の創作活動をより自由に、より
 アクティブにする為に、アップル社を立ち上げます。
 才能があるが、チャンスに恵まれないアーティストにも
 手を差し伸べようとしました。そして、「悲しき天使」
 のメリー・ホプキンスや、ビートルズの弟分という日本
 的キャッチコピーで「デイ・アフター・デイ」をヒット
 させたバッド・フィンガーなどを成功させました。

・しかし、ビートルズにとって、ビジネスはまったくの
 畑違いの仕事であり、音楽製作の10分1も楽しめる
 ものではなかったと思われます。彼らは、儲ける事より、
 衣・食・住のすべてに渡り、浪費を繰り返しました。
 「経費で落とそう!」なんていう経理的発想は、ほと
 んどなかったのではないでしょうか?
 
・「いいレコードを作ればいいんだろう。」、「ビートルズ
 のレコードは必ず売れる」、「だから俺たちは自分で稼い
 だ金を自由に使う」、「誰も文句言えないだろう?」
 ⇒「ごもっとも!でも これじゃ会社は持ちませんよ。」
 ⇒実際、4人のアップル社は、数年を待たず倒産します。

・アルバム「アビイ・ロード」で特に評価が高いのがB面
 三曲目「ユー・ネバー・ギブ・ミー・ユア・マネー」から
 始まるメドレーです。静かな始まり、ミドルテンポへ、
 リンゴのドラムソロ、エレキ・ギターアドリブ掛け合い
 そして「ジ・エンド」へ。
 「♪君が受け取れる愛の量は、君が与えた愛の量と同じさ
 愛とは自分自身で生み出すものなんだよ」。
 ビートルズの出張は一貫しています。
 「All You Need is Love」です。

 (526-2007/4/28記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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