♯ヒコさん心の一曲−Starting Over(ジョン・レノン)


・ジョン・レノンが死んだ時、私は大学を休学していました。
 母の心臓病による急死。その直後の教育実習。‥‥等
 たぶん「自律神経失調症」になっていたのだと思いますが、
 原因不明の腹痛と下痢に悩まされ、たくさん病院を回りました。

・あの頃日本にもボツボツでき始めた「心療内科」にも行きました。
 医者は『何ともありません。精神安定剤を出しておきましょう。』
 被害妄想的になっていた私は『俺は、キチガイじゃない(?)』と
 医者が処方した精神安定剤も飲みませんでした。
 −『それなら俺が飲む!』とオヤジが飲んでいましたが‥(笑)。

・ジョン・レノンの射殺は、NHKニュースで知ったと思います。
 一瞬、意味がわかりませんでした。
 『ジョンが死んだ!』、『ジョンが殺された!』‥‥
 その後、泣いているオノ・ヨーコを見て、心に飲み込んだという
 感じでした。
 その後、ムショウに外に出たくなって、ふらふらと夜の散歩に出かけ
 た事を覚えています。

・『(Just Like)Starting Over』の入ったアルバム「Doble Fantasy」は、
 事前にチェックしていて『(Just Like)Starting Over』や「Beautuful
 Boy」等を、毎日聞いていました。ジョンの息子ショーンの『昔、お父
 さんはビートルズだったの?』という質問をきっかけに、40歳になって
 主夫からミュージシャンに戻ったジョン。「イマジン」のような素晴ら
 しい曲を、これから作ってくれると期待した矢先の事でした。

・「Doble Fantasy」の「ダブル」はジョンの作品とヨーコの作品が
 両方入っているという意味で「ダブル」だと、私は思っています。
 「Starting Over」は、「生まれ変わる」という意味があるようですし、
 歌詞なかの「一人きりで旅に出てみよう」等、よく聞くとジョンの死
 を予感させるようなアルバムでもあります。
 
・サイモンとガーファンクルのポール・サイモンは、ニューヨークの街を
 歩いている時にジョンの死を聞きました。その時の事を思い返して作曲
 した「レイト・グレイト・ジョニー・エイス」という曲は、まるでジョン
 へのレクイエム(鎮魂歌)のような雰囲気を持った曲です。
 ライバルとして、また心から尊敬できるアーティスト−ジョン・レノン
 の死は、ポールにとっても大きな喪失感ではなかったのかと思います。
 イントロのテンションコードは、イギリスのリバプールに生まれ、
 アメリカのニューヨークに死んだ偉大なアーティストの魂の揺らぎのように、
 私には聞こえます。

 (536-2005/11/19記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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