♯ヒコさん心の一曲−早く家へ帰りたい(S&G)


・サイモン・アンド・ガーファンクル三作目のアルバム
 「パセリ・セ−ジ・ローズマリー・アンド・タイム」の
 『早く家に帰りたい』。
 アマチュア時代のポール・サイモンのイギリスやヨー
 ロッパのワンナイト・スタンドのロード生活を、見事な
 詩と曲で表現してる名曲です。

・歌詞には出てきませんが、『早く家に帰りたい』理由の
 一つは、ロンドンで待つ恋人キャシーでした。
 アマチュアの下積み生活、「音楽は僕の命」と心に強く
 思っても、将来への不安はぬぐえません。
 そんなポールの心の支えは、恋人キャシーでした。
 「このワンナイト・スタンドが終われば、ロンドンへ、
 キャシーの元へ戻れる!」。その日を指折り数えながら、
 ワンマン・バンドの旅は続きました。

♪次の街への切符を手に
 駅のホームに座っている
 ワンナイト・スタンドの旅
 スーツケースとギターだけが
 旅の友
 ワンマン・バンドのあしらわれ方は
 どこも同じ
 早く家に帰りたい
 これが
 家に帰る旅だったらいいのに
 あの
 心休まる 音楽が流れる
 愛が待っている
 僕の極上の場所への

・そんなロード生活のある日、コンビのガーファンクルから、
 朗報が舞い込んできます。アメリカでの「サウンド・オブ・
 サイレンス」のヒットです。それは、ギター伴奏だけだった
 原曲に、プロデューサーのトム・ウィルソンがエレキ、ドラム、
 ベースを重ね、パンチを聞かせたバージョンでした。
 今ほど著作権がうるさくない昔だからできたのでしょうが、
 最初「勝手にオリジナルに手を入れられた!」とポールは、
 激怒したそうです。

・とにかく、ロード生活を切り上げ、ポールはアメリカへ
 戻りました。そして、S&Gの二作目、アルバム名も
 ズバリ「サウンド・オブ・サイレンス」の製作に急遽
 取り掛かることとなります。
 ロード生活のアマチュアから、ヒット曲を持つプロへ、
 180度の人生急転回です。
 アーティストのサクセス・ストーリーには、「キラめく
 ような偶然」がありますが、プロデューサーのトム・
 ウィルソンのアイデアも、その一つだと私は思います。 

 (606-2007/8/4記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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