♯ヒコさん心の一曲−ミセス・ロビンソン(S&G)


・映画「卒業」は、ダスティン・ホフマンとキャサリン・
 ロスが出演した1976年公開の青春映画です。
 映画音楽を担当したのが、サイモン&ガーファンクル
 でした。優秀な成績で大学を卒業したベン(ダスティン・
 ホフマン)を、親はまるでヒーローの様に扱います。
 しかし、ベンの心は、自分の将来が見えず、希望と
 挫折の間を振り子のように揺れ動いていました。

・オリジナル・サウンド・トラックCDのジャケットは
 挑発的です。部屋に入ったベンの前にスゥート伸びた
 女の足。二十歳過ぎの男が拒否するには、余りに酷な
 シチュエーションです。
 茶色のストッキングもセクシーです。
 この足の熟女が『ミセス・ロビンソン』です。

・ベンの家とロビンソン家とは、家族ぐるみの付き合い
 であり、最初は拒否したベンも『ミセス・ロビンソン』
 の毒牙にかかり、情夫となります。
 ベンの親は、ロビンソン家の娘エレーン(キャサリン・
 ロス)と、ベンを結びつけようとけしかけます。
 しかし、その前にその母親とできてしまったベン。
 それを知ったエレーンが、ベンを拒否する事は女として
 「当り前の事か」と思います。

♪いいですかロビンソン夫人
 イエス様はあなたを愛してくださっていますよ
 あなたが思っている以上に
 Wo wo wo
 ロビンソン夫人に 神のご加護ありますように
 天国は祈る者を必ず受け入れてくれます
 Hey hey hey,hey hey hey
 
 ‥‥

 日曜の午後は ソファーに座って過ごすのも
 候補者の討論会に行くのも良いでしょう
 大いに笑って
 大いに叫んで
 でもあなたが選んだ候補者は
 どこから見ても負けますよ

・映画「卒業」大ヒット要因の一つは、ラストシーンだ
 と言われています。別の男とエレーンの結婚式にのり
 込み、エレーンを奪い去るベン。教会のドアに十字架
 をはめて、追いかけて来る大人達をストップさせる。
 観衆は、このラストシーンにアクション映画のような
 スリルと青春の輝き、若者のパワーを見ます。
 そして、このシーンに自分をダブらせて感動に浸ります。

・「ピーターパン・シンドローム」、「モラトリアム世代」
 「大人になる事、大人の社会に組み入れる事を拒否する
 若者」。先進国ならではのある意味、贅沢な悩みです。
 映画「卒業」は、親の期待を裏切らない様に生きてきた
 優しい一人の若者の氾濫と、親離れ、大人としての精神
 の独立を描いたものだと、私は思います。
 親が子を捨てるような形の野生動物の親離れとは違い、
 ドロドロ紆余曲折の物語を生み出す所が、人間のケース
 であり、映画・ドラマの感動ネタになる理由だと思います。

 (611-2007/8/25記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。きません。

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