♯ヒコさん心の一曲−わかれうた(中島みゆき)


・「ヒロシーー!行かないで。私を捨てないで〜〜〜!」
 「♪途に倒れて だれかの名を 呼び続けたことが
 ありますか」
 あなたは、ありますか?
 私は、ありません。
 もし叫ぶとしても、途では恥ずかしくてできません。

・この恥も外聞もなく「呼び続けた」シチュエーション。
 外国映画では見たことがありますが、日本人には、想像
 を超えた意外なシチュエーションなのではないかと、
 私は思います。そして、それがヒットの一因かと思います。
 「中島みゆき=恨歌(えんか)」という人でも「演歌
 にはこんなド派手な立ち回りはない」と言いそうです。

・『わかれうた』
 あの当時、新発想な題名だと、私は感心しました。
 歌詞は、捨てられた女の恨み・辛みの呟きです。
 手を変え品を変え「これでもか!これでもか!」呟きます。
 「暗い歌」と言いつつも、失恋歌好きの日本人は、
 自分の失恋を想い出し、比較して、「私のはこれ程
 ひどくはなかったわ」と胸を撫で下ろしているのかも
 しれません。

・中島みゆきの失恋歌からは「捨てた男が見えてこない」
 と言われる事があります。
 「♪追いかけて 焦がれて 泣き狂う」姿は見えても
 「私を捨てるような馬鹿な男」の姿が見えないのです。
 それは、まるで相手を責めていないかのようです。
 「彼は悪くないの、悪いのはみんな私なの‥‥」

・「身を捨ててこそ 浮かぶ瀬もあれ」(空也上人)
 大和撫子的な女性なのでしょうか?損な役まわりです。
 「今世は結ばれなくても、来世はきっと結ばれるわ」
 淡い雪のような願望です。
 「♪わかれは いつもやってくる」
 ⇒「愛苦別離(あいくべつり)は いつもやってくる」
 愛苦別離−避けがたい人の四苦八苦の一つです。
 
 (812-2008/5/24記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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