♯ヒコさん心の一曲−世迷い言(中島みゆき)


・『世迷い言』の作詞は、阿久悠さん、昭和最大のヒット
 メーカーです。
 ピンクレディー「ペッパー警部」から、石川さゆりの
 「津軽海峡冬景色」まで、守備範囲の広い作家でした。
 選びに選ばれた言葉−八代亜紀の「舟歌」は、日本人の
 琴線に触れ、日本中をじわじわと共鳴させました。

・「上から読んでも下から読んでもヨノナカバカナノヨ」
 棘のない「遊び」の世界です。
 スナックのカラオケ、酔客のガナりが同調するイメージ
 です。「世の中馬鹿なのよ〜」皆でガナリます。
 スナックのママも小声で同調し、店のフインキに酔い、
 仕事に張りを感じます。

・都市近郊の駅。裏通りの小さなスナック。
 可愛らしいエクボと小ざっぱりした髪型。
 中年独身ママの色気に、常連客はサラリーマンだけでは
 ありません。
 そして、中年ママが「影のある優しい男」に弱い所は、
 若い頃と変わっていません。

・「もしやアンタが帰ってきたのか」と 
 店の仕込みが一段落した時
 アンタの特等席だった椅子を見る時
 デジタル時計が変わる瞬間にさえ
 敏感な心は、正直にトキメキます。

・へんな癖
 男にフラレルと風邪をひく
 心の隙間に、
 シトネに空いた一人分の隙間に、
 寂しい体は、正直に反応します。 

・「おかえりなさい」は、中島みゆきが他のアーティストに
 提供した曲を集めたアルバムです。改めて彼女の才能に驚嘆
 する聞き応えのある一枚です。
 私はアレンジも含め『世迷い言』が、一番のお気に入りです。
 「このアレンジにして、この名曲あり」という感じです。

・ハーフ
 日吉ミミのあの突き放した声効果を狙ってか?
 日吉ミミのジャンル(?)の特異性を意識してか?
 『世迷い言』は、演歌とニューミュージックのハーフです。
 そして、中島みゆきはヒットメーカー作家と堂々と張り合い
 及第点を上げたと、私は賞賛しております。

 (818-2008/7/6記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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