♯ヒコさん心の一曲−遊び庭(アシビナー)(前川 守賢)


♪毛遊びぬ夜や      <モーアシびぬユルや>
 イソーサ肝どんどん   <イソーサチムどんどん>
 遊び庭に 皆寄て来ぅ  <アシびナーに ンナヨゥてクぅ>
 太鼓三絃 かたみて来ぅ <テークサンシン かたみてクぅ>
 でぃー我ったー 島うた <でぃーワったーシマうた>
 三絃でぃきらち     <サンシンでぃきらち>
 舞うらなとぅぬがな   <モうらなとぅぬがな>

◎毛遊びの夜を思うと
 とてもドキドキしてくるよ
 村の広場に 皆が集まってくる
 太鼓や三絃を持ち 集まってくる
 島唄を大声で歌おう
 サンシンをかき鳴らそう
 心ゆくまで踊ろう

・「ゲンちゃん」こと、前川 守賢のミニライブを見た事があります。
 ハチマキ姿でサンシンを弾きながら歌う「ゲンちゃん」はカッコ良く、
 『遊び庭』や「かなさんどー」の大ヒット曲も、気前良く歌ってくれました。
 その時「ゲンちゃん」は、自分の事を「エイサー野郎」と呼んでいました。

・島唄やCMの「ゲンちゃん」は、陽気でカッコいいお兄さんのイメージですが、
 陽気でカッコいい踊りといえば、沖縄のエイサーはその代表格だと思います。
 陽気でカッコいいエイサーにかけた「エイサー野郎」のネーミングは、
 「ゲンちゃん」のイメージを的確に突いたグットネーミングだと思いました。 

・沖縄で生まれ育った子供達は、中学生になるまでに2回はエイサーを踊ると思います。
 1回目は保育園・幼稚園の運動会、2回目は小学校高学年の運動会の時です。
 エイサーは、自分の生まれた島の芸能として、運動会の華として欠かせません。
 そして、その体験が地域エイサー隊や青年エイサー隊の活躍に繋がってゆきます。

・『遊び庭』は、地域や青年エイサー隊のレパートリーとしてロングヒットしています。
 理由は、まず曲が覚えやすく、聞こえてくるだけで心ウキウキする魅力がある事。
 次に、テンポが中くらいで、太鼓初心者でも打つタイミングが合わせやすい事。
 そして、エイサーを踊る喜びを高らかに歌う歌詞が若者の心をとらえるのだと思います。

・「遊び庭」とは、村の中心にある広場の事で、村の大きな行事の開催場所であり、
 豊年祭はもちろん、村中総出の祝い事や、空梅雨の時の雨乞いなどもここで行いました。
 また「遊び庭」は、神様(祖先神)が降りてくる聖なる場所として大事にされました。
 祝い事であれ、雨乞いであれ、神様も参加してくださっていると、村人は信じていました。

・「毛遊び」とは、夜、結婚前の若い男女が「遊び庭」などに集まり、歌い踊る事です。
 一日の労働を終えて集まる若者達は、「♪肝どんどん」で「お楽しみはこれから」です。
 太鼓や三絃を伴奏に島唄が高らかに歌われ、踊る男女の数も増え、影も大きく揺れます。
 なかには、手に手を取って「遊び庭」を離れ、二人きりになれる場所へ向かう男女もいます。 

 (1002-2010/5/8記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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