♯ヒコさん心の一曲−IKAWU(ネーネーズ)
・レコードデビューが初めてのアーティストのファーストアルバム
は、スタッフのいいものを作り出そうと意気込みがアルバムに
乗りうつるのか?クオリティーの高いアルバムが多いです。
ネーネーズのファーストアルバム『IKAWU』も、知名定男
の意気込みとネーネーズの実力がベストマッチして素晴らしい
ファーストアルバムとして仕上がっております。
・一曲目は、上昇するシンセサイザーが、石垣島のオモト岳から
昇る大きな月を思わせる、私の大好きな「月ぬ美しゃ」です。
そして、エイサーへとつながってゆく「沖縄オンパレード」と
いう感じです。
4曲目の「テーゲー」。「テーゲー」という言葉を「適当」と
訳してしまうと、何かマイナスイメージを感じてしまいますが、
「テーゲー」は「テーゲー」という意味であり、まず曲を聞い
て見たら〜「とっても面白いよ」という感じです。
そして、6曲目『IKAWU』。このアルバムのタイトル曲
でもあり、私が一番好きな曲です。
♪行かうー 南米ぬアルゼンチンぬ旅に
新天地や望でぃ 吉かる日や選でぃ
男身ぬたましでむね 広さある世界に出じやびら
人生ぬ旅や なまど始まゆる
・「世界のウチナンチュー大会」というお祭をご存知ですか。
これは、世界中から沖縄出身のひとびとが集まるお祭りで、
沖縄を会場として5年に1回開かれることになっています。
参加する国は、ペルー、アメリカ、フランス、ザンビア、
チリ、メキシコ、キューバ、ベネズエラ、アルゼンチン、
台湾、韓国…その他多くの国々です。大会では沖縄の文化を
紹介するいろいろな展示やイベントが6日間続き、世界に
拡がるウチナンチューの輪を確かめ合うという壮大なお祭
です。
・この沖縄という島国から、このように世界中にウチナンチュー
が拡がった理由に移民があります。移民の父−当山久三の
「いざゆかん、吾等が家は五大州」の言葉で代表される移民
は、自然風土の厳しい沖縄が生きて行く為に選ばざるおえ
なかった選択肢でした。
・『IKAWU』は、アルゼンチンへ移民を決めた人が、その
決意と沖縄に残していく大切な人々への別れを歌った歌です。
巧みな編曲とネーネーズの少しおさえた歌い方が、逆に涙を
さそいます。「人生の旅は、これから始まる!」なんという
力強い言葉でしょうか。移民でなくても人生には路線切替が、
何度か発生します。それをどう捉え、どう対応するか。
「なんくるないさ」(「なんとかなるさ」)と言ってとにかく
一歩を踏み出す。私は、「石橋を叩いても渡らない」と、人
から言われた事があるくらいの人ですから、こういった音楽
には、人一倍感動してしまいます。
(1004-2005/05/22記)
*敬称は略してあります。
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。