♯ヒコさん心の一曲−芭蕉布(普久原恒男)


♪海の青さに 空の青 南の風に 緑葉の‥‥
 『芭蕉布』を初めて聞いたのはいつのことでしょうか?
 一度聞いただけで、誰もが「いい曲だな〜」と思い、
 メロディーを覚えてしまう曲はそう多くはありませんが
 『芭蕉布』は、そんな一曲かと思います。
 歌詞とメロディーのマッチ度も素晴らしいと思います。

・『芭蕉布』は、作詞:吉川 安一、作曲:普久原 恒男
 で、昭和四十年(1965年)に発表されました。
 当初は琉球放送のホームソングとして愛唱されましたが、
 その後NHK名曲アルバムで放送され全国区となった曲
 です。

・作曲者の普久原恒男は、戦後沖縄が生んだ最高のメロディー
 メーカーだと私は思います。そして『芭蕉布』は、普久原
 メロディーの代表曲であり、宮良長包の「えんどうの花」
 に相当する名曲だと思います。

・その他の普久原メロディーとして「ゆうなの花」、「ふるさと
 の雨」、「娘ジントーヨー」、「遊び仲風」、「丘の一本松」
 等があります。私は、山里ゆき子の「遊び仲風」を初めて聞
 いた時に、山里ゆき子の歌唱力と曲の素晴らしさで、背中が
 ゾクッと来た事を覚えております。

・『芭蕉布』には琉球王朝の古都、首里のことが歌われています。
 首里は、私が学生生活をおくった場所でもあり、この曲を聞く
 と懐かしい首里の情景が浮かんできます。

・「首里だやー(すいだやー)」という言葉があると首里出身の人
 が、教えてくれました。商業の町、那覇の人から見ると首里の人
 の動作があまりにゆっくりしているのでつけたあだ名だと聞いて
 います。しかし、琉球王家の人々や首里に住む侍がパタパタと
 歩いていたとは考えにくく、自然、首里に住み人々もゆったりと
 した所作になったのではないかと思っております。
 『芭蕉布』は、曲の素晴らしさだけでなく、いろいろな情景を
 思い出させてくれる名曲です。

 (1009-2005/06/11記)

 *敬称は略してあります。
 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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