♯ヒコさん心の一曲-なんた浜(宮良 長包)
♪波の花咲き 船足軽く
片帆ちらちら 月影のせて
黄金白金 くだくる波に
ゆらるる夢は あのなんた浜
あのなんた浜 イヤホあのなんた浜
・与那国島は、日本の最西端に位置する、東西に細長い島です。
島の東の先は、久部良(くぶら)、西は、祖内(そない)の村落です。
祖内村落の目の前に広がる浜辺が『なんた浜』です。
浜辺は、底の砂模様が遠浅の彼方まで見える程、透きとおっています。
・琉球王朝の頃、役人が『なんた浜』に着くと、浜に娘が並びました。
娘の前には、娘のゾウリが、役人が履ける向きに並べてあります。
役人は、娘を一人ずつ見てゆき、好みに合った娘のゾウリを履きます。
これが、役人の朝夕の世話娘を決める『なんた浜』での儀式でした。
♪夜明けほのぼの 空晴れ渡り
八重の潮路を 乗り切りゆけば
なんた白浜 アダンの影に
笑いこぼれて 船まつ人よ
船まつ人よ イヤホ船まつ人よ
・宮良長包は、石垣島出身の作曲家であり、音楽教師でもありました。
戦時中の学校には軍人がいて、軍国主義の徹底を見張っていました。
宮良の音楽教育に対する理想は高く、その情熱はとても強く、
音楽教育を軽視する軍人とは、喧嘩も辞さない姿勢を貫いたそうです。
・「♪なんた白浜 アダンの影に 笑いこぼれて 船まつ人よ」
私は『なんた浜』に、宮良長包の「海への憧れ」を感じます。
ニライカナイへの海道が開かれるような「海への憧れ」です。
それは、尽きせぬ音楽への情熱とも重なり、広々と澄んで聞こえます。
(1016-2009/11/7記)
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。