♯ヒコさん心の一曲−花(喜名昌吉)
・喜名昌吉の『花』については前にも書きましたし、拙いながら
曲の魅力も分析してみました。今、「涙そうそう」や『花』が、
アジアでヒットしています。ザ・ブームの「島唄」は、日本の
反対側の南米でヒットしているそうです。
これは、日本のレコード会社が仕掛けて起こしたヒットではなく
何かの拍子に曲を聞いた現地の人が、何かを感じ自分達のフィー
リングで焼きなおしたところ、大ヒットしたという流れです。
これは坂本九の「スキヤキ」以来の快挙かもしれません。
(原曲は「上を向いて歩こう」です。)
・琉球音階(長調の音階からレとラを抜いた音階)は、東南アジア
がルーツという説があります。『花』、「涙そうそう」、「島唄」
は、純粋な琉球音階ではありませんが、現地の人が心の奥底で
感じるフィーリングが、マッチした曲ではないかと思われます。
彼らの焼き直しのアレンジは、木琴などが入ったりするとともに、
リズムもより弾んでいます。どの曲も原曲より「楽しげ」に聞
こえてしまうのは私だけでしょうか?
・私のホームページの『花』に、別の人から同じ質問が二度来ま
した。それは「『花』の英語の歌詞を知らないか?」という質問
でした。目的は書かれていませでしたが、英語圏の人に歌って
聞かせるか、意味を教えるのだと思われます。私の持っている
CDには英語の歌詞の版はないので、「残念ながら知りません」
と答えました。
・アメリカの人が「日本の民謡より沖縄民謡の方が親しみを覚える。
何故なら琉球音階は、西洋の音階によく似ているから」と言って
いました。先ほど琉球音階は、長調の音階からレとラを抜いた
音階と書きましたが、ラはまず出てきませんが、レは経過音と
してたまに出てくることがあります。たとえばドからミに移る
際に、メロディーをなめらかにする為にレを入れる 等です。
アメリカの人が、琉球音階のメロディーに親しみを感じている
という事はとても興味深い事です。
・『花』のサブタイトルは「すべての人の心に花を」です。
NHK紅白歌合戦で、喜名昌吉が『花』を歌ったのは数年前になり
ます。今、彼は国会議員となり、政治の世界でがんばっています。
戦争に反対する彼の姿勢を表すメッセージは、「すべての武器を
花に」です。彼は、言葉だけでなく、実践も行っています。
・そんな訳で現在、喜名昌吉の音楽活動は以前ほど、活発ではあり
ません。しかし、『花』はすでに喜名昌吉の手を離れ、一人立ち
してスタンダードナンバーとして、世界中で歌い継がれています。
まさに『花』は、「名曲は世界共通の宝」の一曲となったのです。
(1019-2006/06/03記)
*敬称は略してあります。
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。