♯ヒコさん心の一曲−月ぬ美しゃ(八重山のわらべうた)


◆元歌
東から 上おる 月ぬ夜   ありから ありおる つくぃぬゆう
沖縄 八重山 照らしょうり うきなん やいまん てらしょうり
ホーイー チョーガー     ホーイー チョーガー(ハヤシ)

あんだぎなぬ 大月ぬ夜   あんだぎなぬ うふつくぃぬゆう
ばーがーけーらー 遊ぼーら ばーがーけーらー あさぼーら
ホーイー チョーガー      ホーイー チョーガー

・間奏(雅楽)

寺ぬ 札んが 絹糸花  てらぬ ふだんが いちゅぱな
黄金に花 咲かりょーり くんがにぱーな さかりょーり
ホーイー チョーガー   ホーイー チョーガー

月ぬ 美しゃ 十日三日 つきぬ かいしゃ とぅかみっかー
美童 美しゃ 十七    みやらび かいしゃ とぅななつ
ホーイー チョーガー   ホーイー チョーガー
ホーイー チョーガー   ホーイー チョーガー

◆意訳
東から上がってくる お月様
沖縄も 八重山も 照らして下さい
ホーイー チョーガー

あんなに美しく 大きなお月様の夜
みんな いっしょに 遊びましょう
ホーイー チョーガー

・間奏(雅楽)

お寺の札には 絹糸の花
黄金の花が 咲いているよ
ホーイー チョーガー

お月様の美しいのは 十三夜
乙女の美しいのは 十七才
ホーイー チョーガー
ホーイー チョーガー

・「月ぬ美しゃ」は、石垣島などの八重山諸島で広く歌われている子守唄です。
 素朴で親しみやすいメロディーは、八重山を代表する一曲であるだけでなく
 合唱曲として歌われたり、楽器で演奏されたりと多彩な広がりを見せています。
 最近では、石垣島出身のシンガー新良幸人(あらゆきと)さんも歌っております。

・「♪月ぬ美しゃ 十日三日 美童美しゃ 十七つ」の歌詞に関して、
 「遠野物語」で有名な民族学者の柳田 國男先生は、「本土のわらべうた
 「お月様いくつ 十三七つ」の歌詞がルーツではないか」と推測しております。
 何か、本土と石垣島の遠い昔からのつながりに思いをはせるロマンある話ですね。

・私は約一年かけて卒業論文「沖縄のわらべうたの教育」を書き上げました。
 論文の為に、資料・音源集めを行う中で「月ぬ美しゃ」と出会いました。
 初めて聞いた時から、深い安らぎのあるメロディーに魅せられましたが、
 特にはやし「♪ホーイチョーガ」のメロディー終わり方は、新鮮な驚きでした。

・はやし「♪ホーイチョーガ」のメロディー終わり方(新鮮な驚き)とは、
 仮に「月ぬ美しゃ」を、ハ長調で歌った場合に、はやしのメロディーの音は、
 音階構成音(ド、レ‥シ、ド)にないファ#で終了しているのです。
 「曲の最後の音で転調している?」が、私の新鮮な驚きの真相だったのです。

 (935-2010/09/18記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

BACK  INDEX  NEXT