♯ヒコさん心の一曲−上り口説(ぬぶいくどち)(沖縄民謡)
♪旅ぬ出発ち 観音堂 <タビぬンジタち クワンヌンドー>
千手観音 伏し拝でぃ <シンティカワンヌン フしヲガでぃ>
黄金尺取てぃ 立ち別る <クガニシャクトゥてぃ タちワカる>
○旅の出発は (首里の)観音堂
千手観音を 謹んで拝みます
(手と口を)柄杓で清めて 別れに臨みます。
♪袖に降る露 押し払い <スディにフるツィユ ウしハラい>
大道松原 歩み行く <ウフドウマチバラ アユみユく>
行きば八幡 崇元寺 <ユきばハチマン スーギンジ>
○袖に降る露(涙)を 振り払って
大道松原(地名)を 歩いて行きます
行くと八幡崇元寺が 見えて来ます
・「首里の観音堂で旅の安全を祈り、那覇の港で船に乗り込む、
見送りの人々と涙の別れ、残波岬を過ぎ、行く手に桜島が見える。」
『上り口説』は、「江戸のぼり」の為に、琉球(沖縄)から薩摩
(鹿児島)までの道行(みちゆき)を歌った旅行記の様な歌です。
・私が、サンシン教室で最初に習った曲は、「安里屋ユンタ」と
この『上り口説』でした。最初に『上り口説』を習う理由として、
「伴奏が繰り返しで覚えやすい」、「一度は聞いた事がある
メロディー」、「替歌の応用ができる」などが考えられます。
・サンシン教室最初の数ヶ月は、『上り口説』が練習1曲目でした。
『上り口説』の伴奏は、繰り返しなので、パターンで覚えますが、
方言の歌詞が八番まであり、歌詞毎に若干メロディーが違うので
八番まで習得するには、反復練習しかありません。
・教室には、練習者用のサンシンがあり、生徒に貸してくれます。
最初に、運指表を渡されますが、ドレミでなく、漢字表記で、
楽譜に相当する「工工四(くんくんしー)」と対応しています。
「工工四」を見ながら、メロディーと伴奏を混ぜた様に弾きます。
・歌詞を自作した『上り口説』を、余興等で歌う事はよくあります。
「XX口説」と題し、面白おかしく、時には色っぽく歌い上げ、
結婚式の余興などで、満場の笑いを取る事も、しばしばあります。
私の通ったサンシン教室のテーマソングも『上り口説』伴奏でした。
(1101-2009/9/18記)
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。