♯ヒコさん心の一曲−マミトーマ(八重山民謡)
♪マミトーマよ マミトーマ
美童ぬ 美童 <ミヤラビぬ ミヤラビ>
ウーヤーキ ユナオーレ
◎マミトーマよ マミトーマ
美しい娘よ 娘
ウーヤーキ 世直れ
♪ずぃま生りだ マミトーマ <ずぃまマりだ マミトーマ>
どぅきゃ産でぃだ 美童 <どぅきゃスイでぃだ ミヤラビ>
◎どこで生まれた マミトーマ
どこで生まれた 美童
・地味なカスリを着ながら、かなりオーバーな農作業の振り付けで踊る男女。
手には鎌や手ごてを持って、時にはオーバーが高じアドリブをかますおばさん。
『マミトーマ』は、テンポが良く、男女掛け合いもある面白い歌なのですが、
この喜び溢れる踊りと一心同体となってパワー全開となる民謡だと思います。
・『マミトーマ』とは、「マメに働く娘」という解説を見た事がありますが、
実際は「ミト」(女性の性器)の愛称化から、「美しい娘」の意味に転じたようです。
昔話や歌では、性器や性行為が衣食住と同列のように扱われている場合があります。
現代は「性の商品化」もあり、同列からはずれ不自然な特別扱いとなっています。
♪我んが孫ぬ 生るば <バんがマーぬ マるば>
初ぬ子ぬ 産でぃらば <ハツィぬファぬ スイでぃらば>
◎わたしの孫が 生まれたら
初の子が 産まれたら
♪マミトーマぬ 守る子や <マミトーマぬ ムるファや>
歩ぎん早しゃ あるぃはずぃど <アラぎんバイしゃ あるぃはずぃど>
◎マミトーマの 守する子は
歩きも早い はずだぞ
・「♪ウーヤーキ 世直れ」の「♪世直れ」は、ハヤシでよく使われる歌詞ですが、
ハヤシのせいか?私は、この部分を解説した文章を見た事がありません。
日頃のウップンを歌に込めて、もとい「ハヤシ」に込めて、文字通り、
「♪人頭税などない世の中に直れ」というシュプレヒコールなのでしょうか?
・琉球王朝時代でも、豊年祭など、いくつかの村行事は開催が許されていました。
豊年祭は、「若衆踊り」、「老人踊り」、沖縄版オペラ「組踊り」と村人総出です。
現在でも、多良間島の豊年祭は、2箇所の会場を設け、三日間連続で行われます。
来賓の役人の前での『マミトーマ』は、大声で「♪世直れ」と歌える唯一の場でした。
(1115-2009/12/26記)
*民謡の歌詞は、地域で若干違う場合もあります。
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。