♯ヒコさん心の一曲−豆が花アヤグ(宮古民謡)


♪早朝ぬ 豆が花よ サーサー     <ストゥムティぬ マミがパナよ サーサー>
 明きしゃるぬ 露が花よ イラヨシ <アきしゃるぬ ツユがパナよ イラヨシ>
 イラヨスマーヌ 露が花よ      <イラヨスマーヌ ツユがパナよ>

◎早朝の 豆の花よ サーサー     
 明け方の 露の花よ イラヨシ 
 イラヨスマーヌ 露の花よ 

♪ハイユハイ 真栄里親仁座よ <ハイユハイ マイザトゥウヤズヤよ>
 汝が子ゆ 我ぬ乞いるよ   <ヴワがファゆ バぬフいるよ>

◎オイオイ 真栄里親父よ
 お前の娘を 俺にくれぬか    

・早朝、朝露に濡れてひっそりと咲く豆の花と、それを愛でる「アヤグ」。
 『豆が花アヤグ』は、人頭税時代の役人の横暴を歌った歌ですが、
 題名といい、この歌詞といい、時代の権力を超越した美を感じます。
 権力を傘にきた役人の卑近さに対抗する、心の強さと美しさを感じます。

・宮古の「アヤグ」は、歌全般の総称で、「アーグ」とも呼ばれます。
 畑仕事などの労働、『豆が花アヤグ』の様な強い思いを歌った物から、
 「仲宗根豊見親のアヤグ」の様に、歴史を歌った長詩型の物もあります。
 宮古の人々は、さまざまな思いを「アヤグ」に託して歌い継いできました。

♪我が子ぬ マカマドゥやよ <ヴワがファゆ マカマドゥやよ>
 目差主とぅ 丈あらんよ  <ミザシシュとぅ タキあらんよ>

◎私の娘の マカマドゥは
 お役人様には 似合いませぬ

♪丈なしば 丈どぅなずよ   <タキなしば タキどぅなずよ>
 ぶがなしば ぶがどぅなずよ <ぶがなしば ぶがどぅなずよ>

◎似合わせば 似合う
 夫婦になれば びったりする

・すけべ心と権力丸出しの役人と、娘を守ろうとする親の攻防戦です。
 「お父さん頑張れ!娘を守れ!マカマドゥを不幸にするな!」
 役人と領民は「ヘビに睨まれたカエル」の様な高低の立場関係です。
 親は、何とか言いつくろって、役人を諦めさせるしか方法がありません。 

・八重山の「ユンタ」、宮古の「アヤグ」、沖縄本島の「島唄」。
 聞き比べてみると、方言以外にも、かなり違いある事がわかります。
 格調高い八重山の「ユンタ」もあれば、バリエーション豊富な「島唄」。
 「アヤグ」の「美しいメロディー」には、学生の頃から魅かれていました。
 
 (1120-2010/1/23記)

 *民謡の歌詞は、地域で若干違う場合もあります。
 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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