♯ヒコさん心の一曲−豊年の歌(宮古民謡)


♪宮古民謡は、一般的に「アーグ(アヤグ)」という呼び名で総称されることがあります。「アーグ」
 とは「綾言」、「美しいことば」という意味です。祭り歌で神のことばを美称する「綾言」から始まり、
 神々や英雄を称えた歌、生活、恋愛、風土、人情等をうたったものへと発展していったと考えら
 れます。

♯宮古の歌を神歌と民謡に分けた場合、下記の様な分類となります。
 1.神歌−「タービ」、「ピャーシ」、「フサ」、「ニーリ」。
 2.叙事的な内容の民謡−「長アーグ」、「クイチャーアーグ」
 3.叙情的な内容の民謡−「トーガニアーグ」、「スンカニ」

♭神歌−神への祈りや感謝の歌
 1)「タービ」−神を尊び崇べるいう意味で、豊年祭の麦祭り、五穀の祭りの時にうたわれる。
 2)「ピャーシ」−「ピャーシ」は、拍子の意味。「タービ」と同様に、豊年祭の麦祭り、五穀の祭り
  の時に手拍子を打ちながらうたわれる。
 3)「フサ」−「フサ」とはカンフサ(神の草)の意味で、祭りの時に神女がかぶる蔓草をさす。
  神々の系譜や歴史をのべる神歌である。
 4)「ニーリ」(「ニーラーグ」又は「ニール」ともいう)−ニライカナイの祖先神をあがめたてまつる歌。

♯叙事的な内容の民謡
 1)「長アーグ」−(1)英雄を賛える英雄賛歌で「フサ」や「ニーリ」の系統である。(2)航海安全を
  祈願したり、豊作を祈願したり、民衆の生活をうたったものの2種類がある。「豊年の歌」が有名。
 2)「クイチャーアーグ」(「クイチャー」)−集団で踊られるうた。「漲水(ぱるみず)のクイチャー」が
  有名。

♭叙情的な内容の民謡
 1)「トーガニアーグ」(「トーガニ」)−悠長な祝宴歌と恋歌がある。「伊良部トーガニ」が有名。
 2)「スンカニ」−恋と別離の情をうたいこんだ歌。「多良間スンカニ(ションガネ)」が有名。

♯「豊年の歌」は、五穀豊穣をうたったアーグです。めでたい民謡として、宮古諸島ではよく歌
 われるものです。私の宮古の知り合いは、学校の運動会で「豊年の歌」を踊った事があると言
 っておりました。
 歌詞の例−「今年を事始めとして、粟や米が珠数玉のように実ったら」‥‥

 (1123-2002/4/21記)

 *民謡の歌詞は、地域で若干違う場合もあります。
 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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