♯ヒコさん心の一曲−国頭(クンジャン)さばくい(沖縄民謡)
♪サー 首里 天加那志ぬ <サー シュユイ ティンガナシぬ>
ヨイシー ヨイシー
サ 御材木 だやびる <サ ウザモク だやびる>
ハイユイェー ハーラーラ
サー ハリガ ヨイシー
サー イソソ ソーソ
イー イヒヒ ヒーヒ
アー アハハ ハーハ
◎サー 首里の 王さまの
ヨイシー ヨイシー
サ 御材木 だよ
ハイユイェー ハーラーラ
サー ハリガ ヨイシー
サー イソソ ソーソ
イー イヒヒ ヒーヒ
アー アハハ ハーハ
・『国頭(クンジャン)さばくい』は、沖縄民謡のジャンルでは曲数の少ない労働歌です。
「国頭」は、名護以北の広大な森林地帯を含む現在の「国頭(くにがみ)村」を指します。
森林地帯は「山原(ヤンバル)」とも呼ばれ、「山原クイナ」で全国区となった地名です。
「国頭村」の最北は「辺戸(へど)岬」で、晴れた日には鹿児島県の与論島が見えます。
・琉球王朝時代、お城などに使う大きな木材の供給地が「国頭村」だったのです。
「国頭村」で切り出した大きな丸太は、人力によって首里の建築現場まで運ばれました。
その時に、労働を鼓舞する為に歌われた労働歌が『国頭さばくい』でした。
「さばくい」とは、木材運搬担当の下級役人の役職名だと言われています。
♪サー 国頭 さばくい <サー クンジャン さばくい>
サ 御嶽ぬ 前から <サ ウタキぬ メーから>
◎サー 国頭 さばくい(下級役人)
サ 御嶽の 前から
♪サー 名護山 堅木や <サー ナグヤマ カシジや>
サ 重さぬ 引からん <サ ウブさぬ ヒからん>
◎サー 名護山の 堅木は
サ 重いが 引こう
・「♪ハイユイェー ハーラーラ」以下のハヤシは、リーダーと引き手の掛け合いです。
昔、ヒットした「バナナボート」を彷彿とさせるパワーを感じる歌の掛け合いです。
道路が整備された現在ですが、車で行っても那覇から「国頭村」までは3時間以上かかります。
そこから大きな丸太を運ぶのですから、どれだけの労力と日数がかかった事でしょうか?
・前述の「山原クイナ」は、飛ぶ事が上手でなく、地上を走って移動する鳥です。
ですから、道路も走って渡ろうとするので、交通事故に遭う事がよくあります。
天然記念物「山原クイナ」に対する沖縄県民の関心は高く、人身事故並みの扱いとなり、
「山原クイナ 車に轢かれる!」と、テレビニュースで伝えられる事もしばしばです。
(1126-2010/2/20記)
*民謡の歌詞は、地域で若干違う場合もあります。
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。