♯ヒコさん心の一曲−マシュンク節(伊江島民謡)


♪ヨーテー 
 マシュンクとぅ ナビとぅ 
 ヨーテ      
 マシュンクとぅ ナビとぅ
 見比びてぃ みりばよ <ミクナびてぃ みりばよ>
 ウネ シクテントゥンテン

◎ヨーテー 
 マシュンクと ナビと 
 ヨーテ      
 マシュンクと ナビとを
 見比べて みれば
 ウネ シクテントゥンテン

♪うりが実 なりば      <うりがナイ なりば>
 里にちん持てぃ うぇさなや <サトゥにちんムてぃ うぇさなや>

◎その(ヘチマ)実が なれば
 あの方へ持っていって あげましょう

・『マシュンク節』は、若い男女の恋物語を、回りが面白おかしく歌い上げる歌です。
 「マシュンク」は男の名、「ナビ」は女の名。二人は村中で評判の恋仲なのです。
 女の名「ナビ」は「鍋」の事です。他にも「カマド(釜戸)」という名前もあります。
 これらの名は「家事が上手になって欲しいという親の願い」なのかと思われます。

・『マシュンク節』は、「ナベラの実を、ナベがマシュンクにあげる。」と続きます。
 「ナベラ」は「ヘチマ」の方言名ですが、「ナベラ」と「ナベ」を引っ掛けています。
 このふざけた歌い様でも、回りが二人をヤッカミ半分で茶化している事がわかります。
 歌詞の続きを見ると、回りの騒ぎを他所に、二人の仲は深まっていくばかりのようです。
 
♪各恋人恋人 恋人抱ちょてぃ <ナニングルニングル ニングルダちょてぃ>
 美童話ぬ 面白さよ     <ミヤラビハナシぬ ウムッさよ>

◎それぞれの恋人同士が 恋人と抱き合って
 娘の話の 面白さよ

・私は、沖縄の「わらべうた・民謡集」というテープで『マシュンク節』を知りました。
 テープは、男の子供の舌足らずを補う為か?エコーをかなり効かした録音でした。
 歌いだしの「♪ヨーテー」に、別の子供が「♪ヨーテー」と歌い掛けますが、
 その声にも、エコーがかかり、全体にファンタジックな『マシュンク節』でした。 

・「わらべうた・民謡集」では『マシュンク節』は、民謡の方の扱いだと思いますが、
 歌っているのが子供なので、歌詞の内容を考えるとちょっとチグハグに聞こえます。
 子供の舌足らずで「♪ナニングルニングル ニングルダちょてぃ」と、歌われると、
 「大人のイヤラシイ妄想が走り」、聞いている方が、赤面してしまいます。
 
 (1127-2010/2/27記)

 *民謡の歌詞は、地域で若干違う場合もあります。
 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

BACK  INDEX  NEXT