♯ヒコさん心の一曲−あさぱな節(奄美民謡)
♪「花は霧島〜煙草は国分〜燃えてあがるは桜島」(「おはら節」)の鹿児島と、「谷茶前の
浜に〜スルル小がゆちちゅんど〜」(「谷茶前節」)の琉球音階の沖縄の間に位置する奄美
の島々ではどの様な民謡が歌われているのでしょうか。ちなみに琉球音階の北限は、奄美
大島と沖縄の間の沖永良部島(おきのえらぶじま)だと言われています。
♭私の聞いた奄美の島々の歌は、下記の様な特徴のあると思います。
1)男性の場合、裏声を駆使した曲が多い
2)男女掛け合い(交互)に歌う曲が多い。
3)歌詞をあまりハッキリ歌わない曲がある。
4)三線の伴奏に装飾音が多い。
*三線は、細竹をバチにして弾く。
5)曲調的には、本土の民謡風ですが、その哀愁のあるメロディーは、奄美の島々独得のもの
の様に思える。
♯「男女掛け合い(交互)に歌う曲が多い。」のは、奄美には、歌垣の習慣が強く残っている
せいではないかと言われています。
♭「歌詞をあまりハッキリ歌わない曲がある。」は、時の支配者(薩摩)に、歌詞を聞き取りにく
くする為だと、奄美の唄者(うたしゃ)の第一人者の武下和平さんが言っておりました。
♯装飾音が多く入った三線の伴奏で裏声を駆使して歌う奄美の民謡は、とても特徴がある
とともになんともいえぬ哀愁がただよった曲が多い様に思います。
♭「朝花節(あさぱなぶし)」は、集まりや歌垣の最初に必ず歌われる曲です。その歌詞は、
あいさつから始まり、教訓歌、恋歌などへと移っていきます。「朝花」とは若い女性を意味しま
す。
歌詞の例−「まかり出ましたこの家のご主人様」、「こうしてお会いできるのも、神様のお引き
逢わせですね」‥‥
♯「六調」は、集まりや歌垣の最後に歌われる歌です。
歌詞の例−「ハーレ踊り好きなら 早よ出て踊れ 唄ぬさまれば 踊ららぬヨイヤナー」‥‥
♭「子守唄」(永良部子守唄)は、純粋な琉球音階ですが、とても美しい曲です。特に曲の終
わりの音階(ミソソ〜)の部分は、宮古の子守唄「ばんがむり」にも通じる余韻の残る終わり
方だと思います。
歌詞の例−「誰が泣けといったか、私がお守りをするから泣かないで大きくなれよ。いくらお前
が泣いても親は聞いちゃいないよ。私が親になってお前をお守りしているんだよ」‥‥
*「子守唄」(永良部子守唄)は、私のHP(沖縄大好き)の下記で聞く事ができます。
*沖縄大好き
*「My Music」の「きじむなあ物語」の「07 永良部子守唄」
(1129-2002/4/6記)
*民謡の歌詞は、地域で若干違う場合もあります。
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。