♯ヒコさん心の一曲−かぎやで風(沖縄古典)
♪沖縄の結婚披露宴は、人数もさる事ながらとてもにぎやかです。披露宴その物は、新郎
新婦入場・挨拶・お色直し・ケーキ入刀・お礼の言葉と変わらないのですが、披露宴の3分
の1から半分以上を占める余興の多さがにぎやかにしている理由だと思います。人数も100
人は少ない方で普通は、200人以上です。今までの最高は、600人という披露宴に出た事
があります。そんな大人数が余興をやる訳ですから親族・友人・会社の同僚は元より、琉舞
や空手の披露、プロのバンドや民謡歌手のミニショー、はては近くのおばさんのフラダンスと
なるわけです。
♭そんな沖縄の結婚披露宴にも始まりと終わりは、決まっています。始まりは沖縄古典音楽
の、「かぎやで風(ふう)」(かじゃで風)で、終わりは沖縄民謡の「カチャーシー」です。これは、
沖縄本島の場合で、宮古の終わりは、「漲水(ぱりみず)のクイチャー」、石垣島での始まりは、
「鷲ぬ鳥節」(ばしぬとぅいぶし)だと聞いた事があります。
♯「かぎやで風(ふう)」は、沖縄古典音楽の祝い歌で、披露宴や他の目出度い席の最初の
踊られる琉舞です。結婚披露宴では、新郎か新婦の親戚が踊るのが通例となっています。
琉舞というと難しそうですが、親戚の中に必ず一人、二人は琉舞を習っている人がいるので
その人の特訓を受けて舞台に立つ訳です。
♭「かぎやで風(ふう)」の歌詞は、『今日の喜びは何にたとえようか、しぼみ枯れようとして
いる花が、露を受けて蘇ったようだ』(意訳)くらいの意味となります。曲調は、ゆったりしてお
り言葉一つ一つをのばしつつ上下させて歌います。沖縄の古典音楽は、全般的にこういった
曲調の曲が多いです。古典音楽の伴奏は、三線(さんしん)が普通ですが、琴や笛、胡弓が
加わる事もあります。他の有名な曲として「恩納節」(おんなぶし)、「花風節」(はなふうぶし)
、「上り口説」(ぬぶいくどぅち)等があります。
♯沖縄の古典音楽は、琉球王国の宮廷音楽として発展しました。そこには、冊封使の接待
という大きな理由があります。冊封使とは、琉球王が変わる度に祝賀に訪れる中国から使
者で半年以上滞在したそうです。半年の間、使者を飽きさせない接待方法の一つとして琉球
古典音楽が発展したのです。
♭結婚式の始まりは古典音楽、終わりは琉球民謡とまさにチャンプルー文化の沖縄ですが、
琉球民謡の話は次回させていただきます。
(1130-2002/1/26記)
*民謡の歌詞は、地域で若干違う場合もあります。
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。