♯ヒコさん心の一曲−唐船どーい(トウシンどーい)(沖縄民謡)
♪唐船どーい <トウシンどーい>
さんてーまん
いっさん走え ならんしや <いっさんハえ ならんしや>
ユイヤネ 若狭町村ぬ <ユイヤネ ワカサマチムラぬ>
サー 瀬名波ぬタンメー <サー シナファぬタンメー>
アイヤセンスル ユイヤナ
◎唐船だぞー
と大騒ぎしても
一目散に走らないのは
ユイヤネ 若狭町村の
サー 瀬名波の爺さんだけだよ
アイヤセンスル ユイヤナ
・水平線に小さく唐船の船影が見えた時から、那覇の港町は大騒ぎになります。
『唐船どーい』とふれまわる声に、人々はお祭り見物さながらに港に走ります。
唐船は、珍しい文物・食物や豪華な品々を、海の向こうから運んできます。
また、文物だけでなく留学生など人や文化の交流の架け橋でもありました。
・若狭町は、今も残る那覇の名所「波之上宮」のそばの海に面した町並みです。
『唐船どーい』の声に、若狭町の人々も港へ一目散に走ってゆきましたが、
瀬名波の爺さんだけは、どっしりと構え「どこ吹く風か!」と対照的でした。
一説では空手の先生の爺さんは「物に動じない鍛錬ができていた」という話です。
♪音に豊ゆまれる <ウトゥにトュゆまれる>
大村御殿ぬ <ウフムラウドゥンぬ>
シンダン木 <シンダンギー>
ユイヤネ 那覇に豊ゆまれる <ユイヤネ ナファにトュゆまれる>
サー 久茂地ぬほーいガジュマル木 <サー クムジぬほーいガジュマルギー>
アイヤセンスル ユイヤナ
◎見事枝ぶりで有名な
(首里の)大村御殿の
センダンの木
ユイヤネ 那覇で見事枝ぶりで有名なのは
サー 久茂地のほーいガジュマル木
アイヤセンスル ユイヤナ
・二番の歌詞は、民謡の定番「XXほめ」です。ここでは「木ほめ」が歌われます。
「琉球王族の住む首里の大村御殿のセンダンの木ほど、見事な木は見た事がない!」
「いや、那覇久茂地の根元から太く生い茂るほーいガジュマル木の方が見事だ!」
王族と武士の街首里と、商業と庶民の町那覇は、昔から競い合っていてお互いゆずれません。
・沖縄の「ニライカナイ」は「しあわせは海の向こうからやってくる」という思想です。
唐船が運んできて沖縄で普及した有名品と言えば、サツマイモ、サンシン等があり、
その後の沖縄の食生活や芸術・文化に大きな影響を与えた品々が、たくさんあります。
その点、唐船も海の向こうから沖縄にしあわせを運んできた「ニライカナイ」の一つでした。
(1140-2010/4/24記)
*民謡の歌詞は、地域で若干違う場合もあります。
*著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。